「彼が私に近づいてくることは二度となかったな」
マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドGKピーター・シュマイケルが、『ワールドサッカーダイジェスト』本誌の独占インタビューに応じた。聞き手は、英紙『サンデー・タイムズ』で主筆を務めるジョナサン・ノースクロフト記者。1995-96シーズンにプレミアリーグの年間最優秀選手に選ばれたシュマイケルは、名将アレックス・ファーガソン氏をして「彼を超えるゴールキーパーが存在したとは思えない」と言わしめる存在。WSD本誌に入り切らなかった独占インタビューを特別掲載する。
――◆――◆――
――子ども時代にイングランドのサッカーをどのように見ていたか?
「デンマークで育ったが、イングランドのサッカーは常に特別な存在だった。デンマークのテレビで放送されていたイギリスの番組や、イングランドサッカーのハイライト番組を夢中で観ていたよ。特にマンチェスター・ユナイテッドに惹かれて、1970年代の彼らは決して最強ではなかったものの、なぜか心を奪われた。
自分の寝室の壁には、ルー・マカリとゴードン・ヒル(いずれも70年代にマンチェスター・Uで活躍した選手)のポスターを貼っていて。 若い頃の目標は、デンマーク代表としてプレーすることと、ユナイテッドの選手としてFAカップ決勝の舞台に立つことだった。その夢を叶えられたことを、今でも幸運に思っている」
――イングランドでプレーして、印象的なエピソードは?
「1993年のFAカップ・ウィンブルドン戦が印象に残っている。相手フォワードのジョン・ファシャヌという選手のフィジカルコンタクトが凄まじくてね。彼がロングボールを追いかけてきて、私はボールをキャッチしようと前に飛び出した。そして、ファシャヌが私の足に激突して倒れ込んだ。彼は“ハードマン(ラフプレーをする選手)”として知られていたので、痛がっているところを見せるわけにはいかず、平気なふりをしていた。だけど、彼が激痛に耐えているのははっきり分かった。その後、彼が私に近づいてくることは二度となかったな。これが、当時のイングランドサッカーのあり方だったんだ」
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――子ども時代にイングランドのサッカーをどのように見ていたか?
「デンマークで育ったが、イングランドのサッカーは常に特別な存在だった。デンマークのテレビで放送されていたイギリスの番組や、イングランドサッカーのハイライト番組を夢中で観ていたよ。特にマンチェスター・ユナイテッドに惹かれて、1970年代の彼らは決して最強ではなかったものの、なぜか心を奪われた。
自分の寝室の壁には、ルー・マカリとゴードン・ヒル(いずれも70年代にマンチェスター・Uで活躍した選手)のポスターを貼っていて。 若い頃の目標は、デンマーク代表としてプレーすることと、ユナイテッドの選手としてFAカップ決勝の舞台に立つことだった。その夢を叶えられたことを、今でも幸運に思っている」
――イングランドでプレーして、印象的なエピソードは?
「1993年のFAカップ・ウィンブルドン戦が印象に残っている。相手フォワードのジョン・ファシャヌという選手のフィジカルコンタクトが凄まじくてね。彼がロングボールを追いかけてきて、私はボールをキャッチしようと前に飛び出した。そして、ファシャヌが私の足に激突して倒れ込んだ。彼は“ハードマン(ラフプレーをする選手)”として知られていたので、痛がっているところを見せるわけにはいかず、平気なふりをしていた。だけど、彼が激痛に耐えているのははっきり分かった。その後、彼が私に近づいてくることは二度となかったな。これが、当時のイングランドサッカーのあり方だったんだ」
――ピーターはマンチェスター・Uに加入する前、デンマークのブレンビーに所属していた。デンマークとイングランドの違いは?
「あらゆる面でまったく違っていた。デンマーク時代は、サッカーだけでは家族を養えなかった。私自身、カーペット業者や新聞社の広告営業、コペンハーゲンにある世界自然保護基金(WWF)のショップ店員など、副業をこなした。サッカー以外にも、他に仕事をする必要があったんだ。当時デンマークのサッカー選手はそんな感じだった。
対するイングランドは、すべてがもっと大きく、もっと素晴らしかった。観客、スタジアム、クラブの規模、すべてがケタ違いに良かった。ユナイテッドのロッカールームで周囲を見渡すと、感動してね。スティーヴ・ブルースやマーク・ヒューズ、エリック・カントナ、ライアン・ギグス、アンドレイ・カンチェルスキス、ポール・インスといった選手たちが側にいて。心の中で『うわぁ、自分はこんなすごい選手たちと一緒にプレーしているんだ』と思ったよ(笑)」
「あらゆる面でまったく違っていた。デンマーク時代は、サッカーだけでは家族を養えなかった。私自身、カーペット業者や新聞社の広告営業、コペンハーゲンにある世界自然保護基金(WWF)のショップ店員など、副業をこなした。サッカー以外にも、他に仕事をする必要があったんだ。当時デンマークのサッカー選手はそんな感じだった。
対するイングランドは、すべてがもっと大きく、もっと素晴らしかった。観客、スタジアム、クラブの規模、すべてがケタ違いに良かった。ユナイテッドのロッカールームで周囲を見渡すと、感動してね。スティーヴ・ブルースやマーク・ヒューズ、エリック・カントナ、ライアン・ギグス、アンドレイ・カンチェルスキス、ポール・インスといった選手たちが側にいて。心の中で『うわぁ、自分はこんなすごい選手たちと一緒にプレーしているんだ』と思ったよ(笑)」