日本代表は３月20日、北中米ワールドカップ（W杯）アジア最終予選で、バーレーンと埼玉スタジアム2002で対戦。２－０で快勝し、８大会連続のW杯出場を決めた。

　森保ジャパンはここまで７試合を戦い、勝点19、得点24を記録。圧倒的な攻撃力がクローズアップされがちだが、失点２も特筆すべき数字である。

　最後尾で堅守を力強く牽引しているのは、鈴木彩艶（パルマ）。“抜擢”という見方が強かった昨年のアジアカップではやや安定を欠いたが、試合を重ねるごとに風格も増した印象で、今ではすっかり森保ジャパンの守護神に定着した。

「今日は出し過ぎて、最後の方は声が出なかったですね」

　本人がバーレーン戦後にこう話したことからも分かるように、普段はセリエAでゴールを守る22歳のセールスポイントは、抜群のセービングに加え、統率力、コーチングだ。そうしたパフォーマンスは、入念な準備のうえで成り立っている。

「攻めている時のポジショニングだったり、常に裏の対応の準備はしています。攻撃の時もしっかりとサポートを取り直す動きであったり、そういったところはパルマでやっているところを引き続きプレーしているので、常に準備はできているかなと思います」
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　GKは特殊なポジションであり、ピッチに立てるのは１人のみ。今予選ではサポートに回っている大迫敬介（サンフレッチェ広島）と谷晃生（FC町田ゼルビア）への感謝も忘れない。

「もちろん、レベルの高い争いがキーパー陣にあると思っていますけど、自分が出る時には常に本当に支えられていますし、そういったところはアップを含めて普段から感じています。キーパーを代表してピッチに出て、結果を出せたところは嬉しいですし、感謝は忘れてはいけないと思うのと同時に、またここから競争が始まっていると思うので、自分としては気を引き締めてやっていきたいです」

　歓喜の瞬間を迎えた埼スタは、アカデミー時代から長くプレーした浦和レッズの本拠地だ。地元で、両親が見守る前で１つ目の関門を達成した今、背番号１は「次はワールドカップ。ワールドカップこそ本当に見てきたものなので、その舞台で戦えるようにやっていきたい」と次のミッションを見据えている。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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