マンチェスター・ユナイテッドの共同オーナーを務めるジム・ラトクリフ氏が、英公共放送『BBC』のインタビューに対応。成績のみならず、金銭的にも苦しいクラブ事情を赤裸々に語った。

　20度のリーグ制覇を誇る名門は今季、開幕から低空飛行が続き、エリク・テン・ハーフ監督を10月下旬に解任。新たにスポルティングからルベン・アモリム監督を引き抜き、再出発した。しかし、復調の兆しは中々見えず。残り10試合で、プレミアリーグ14位というまさかの順位に位置している。

　ただ、ラトクリフ氏は、現在40歳と若いポルトガル人指揮官を擁護。欠場者が相次ぐなか、限られたメンバーで上手くやり繰りしていると称えた。

「ルベンに与えられた陣容を見ると、正直言って、彼は本当に良い仕事をしていると思う。傑出した若手監督だ。本当にそう思う。優秀な監督だし、長い間そこにいると思う。

　ルベンの実力の片鱗が見え始めている。アーセナル戦でもそれが見えたと思う。アーセナル戦のベンチで、何人の選手を認識できた？（トップチームで）マンチェスター・ユナイテッドのシャツを着た経験のある選手が何人いただろうか。（先発以外で）もう選手は残っていない。適切なトップチームの選手は、本当に10人か11人になってしまった。ルベンはスーパーな仕事をしている」
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　ピッチ外では、大幅な人員削減やチケット代の値上げなどにより、サポーターとの関係が悪化している。ラトクリフ氏は「最近、新聞を読むのがあまり楽しくない」と心境を明かした。

「この変革期は人々にとって不快なものだが、ユナイテッドを安定した基盤に戻すためには必要なんだ。再びトロフィーを獲得する姿を見たいのであれば、我々はこのような行動を取らなければならない。私は今、不人気だと認識している。でも、そうなる覚悟はできているし、正しい行動だと信じているからこそ、一定期間不人気であることに対処できる」

　同氏はそのうえで、「レールから外れてしまったが、戻さなければならない。将来的には今日のリバプールやレアル・マドリーのような存在になれると信じている」と主張。そして、クラブ創立150周年の2028年までにプレミアリーグ制覇という目標を強調した。

「不可能なミッションだとは思わない。目標を持つのは良いことだと思う。アーセナルやリバプールを見て、再建に要した期間や勝ち星を取り戻すのに要した期間を考えれば、期間的には恐らく短い方だと思う。でも不可能ではないよ」

　名門復権へ。血を流しながらも、あくまで正しい方向に向かっているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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