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コンプライアンスでがんじがらめの社会で、つば九郎のように生きてみたい。多くの大人の心が解き放たれた【Jリーグウォッチャー平畠啓史】

カテゴリ:連載・コラム

平畠啓史

2025年03月06日

なぜつば九郎は失敗しても拍手をもらえるのか?

つば九郎の思いやメッセージはプロ野球の枠を遥かに越えて、多くの人の心に届いた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 2025年2月19日、東京ヤクルトスワローズからお知らせがリリースされた。

「これまで、つば九郎を支えてきた社員スタッフが永眠いたしました。球団マスコットとして、ここまで育ててくれた功績に感謝と敬意を表します」

 ヤクルトスワローズファン、プロ野球ファンのみならず、多くの人が悲しみ、喪失感に苛まれた。世の中に多くのマスコットが存在するが、多くの人に認知され、子どもにも大人にも愛されたマスコットは多くいるわけではない。子どもに大人気のマスコットは多く存在するが、つば九郎ほど大人に愛されたマスコットは数少ない。

 少しとぼけたような表情には愛嬌があり、お腹は丸みを帯びている。最近ではキレのある動きやダンスで観客を魅了するマスコットもいるが、つば九郎の動きはキレとは程遠くゆったりとして弛緩気味。チアリーダーにちょっかいを出してふざけて見せる。

 ヘルメットを回転させて放り投げ、頭にヘルメットを装着させる「空中くるりんぱ」は何度やっても成功しない。ただ、失敗したとしても、スタジアムは拍手に包まれた。成功して拍手をもらうのは芸だ。では、なぜつば九郎は失敗しても拍手をもらえるのか?それは常に生き様を見せていたから。そのつば九郎の生き様に多くの大人が共感したのだ。
 
 ヤクルトスワローズを愛し、プロ野球を愛しているのは、つば九郎の行動やメッセージを見れば常に伝わってくる。

 球場を訪れた人たちを楽しませようという姿勢を貫き通す。自由奔放に振る舞いながらも媚びていない。無理は分かっているけれど、つば九郎のように生きてみたい。正論渦巻く世の中で、コンプライアンスでがんじがらめの社会で、つば九郎のように生きてみたい。多くの大人がつば九郎の存在から自分の思いに気付かされたり、心が解き放たれた。

 つば九郎は「えみふる(笑みがFULL=満ちる)」というワードをよく使った。会社や家庭で口数少なく辛気臭い顔をしているお父さんだって、本当は思いっきり笑いたいに決まっている。子どもだけではなく大人も思いっきり笑えば良いし、夢を見たって良い。会社では無理だとしても、せめて球場にいる時だけは笑顔で。球場やスタジアムが「えみふる」な場所になれば良い。つば九郎の思いやメッセージは、ヤクルトスワローズやプロ野球といった枠を遥かに越えて、多くの人の心に届いた。

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