相当な努力と結果が必要だと誰よりも理解
[U-20アジア杯・準々決勝]日本 1(4PK3)1 イラン/2月23日/Shenzhen Youth Football Training Base Centre Stadium
大学生で唯一のスタメンMF小倉幸成(法政大)が大一番で躍動した。
2月23日に行なわれたU-20アジアカップ準々決勝のイラン戦。勝てば今年9月開幕のU-20ワールドカップ出場が決まる一戦で、背番号6のボランチがチームを救う同点弾をねじ込んだ。
イランに対し、U-20日本代表は立ち上がりから押し込まれてしまう。空中戦で分が悪く、高さとパワーで押し切られて耐える時間が続いた。開始5分には、相手2人に囲まれた小倉が自陣でボールをロスト。そのままゴール前に運ばれてネットを揺らされた。
「失点のシーンは自分が奪われてからだった。開始早々に先制点を許したので、自分自身が反省しないといけない」
小倉は虎視眈々と名誉挽回のチャンスを狙っていた。リードされた後は、徐々に日本がペースを握り、高い位置でボールを動かせるようになる。そして30分、鮮やかな一撃が飛び出す。
左サイドからのクロスが流れたところをFW井上愛簾(広島)が右サイドの深い位置で回収。サポートに入った右SB梅木怜(今治)に繋ぎ、小倉は梅木から中央でパスを受けた。
ゴールまでは25メートルほど。「ミドルの意識はつけさせてきたなかで、パーセンテージも取ったうえでチームとしてミドルのゴール確率が低かった」(船越優蔵監督)。そうした課題を払拭すべく、小倉は迷わず右足を振り抜く。鋭い低弾道のシュート。放たれたボールはポストに当たってゴールの中に転がった。
「自分が1本は打つ。そういう意識があった」とは小倉の言葉。指揮官の教えを体現し、成果を出してみせた。
【動画】目が覚めるような小倉幸成の強烈グラウンダーショット弾!
大学生で唯一のスタメンMF小倉幸成(法政大)が大一番で躍動した。
2月23日に行なわれたU-20アジアカップ準々決勝のイラン戦。勝てば今年9月開幕のU-20ワールドカップ出場が決まる一戦で、背番号6のボランチがチームを救う同点弾をねじ込んだ。
イランに対し、U-20日本代表は立ち上がりから押し込まれてしまう。空中戦で分が悪く、高さとパワーで押し切られて耐える時間が続いた。開始5分には、相手2人に囲まれた小倉が自陣でボールをロスト。そのままゴール前に運ばれてネットを揺らされた。
「失点のシーンは自分が奪われてからだった。開始早々に先制点を許したので、自分自身が反省しないといけない」
小倉は虎視眈々と名誉挽回のチャンスを狙っていた。リードされた後は、徐々に日本がペースを握り、高い位置でボールを動かせるようになる。そして30分、鮮やかな一撃が飛び出す。
左サイドからのクロスが流れたところをFW井上愛簾(広島)が右サイドの深い位置で回収。サポートに入った右SB梅木怜(今治)に繋ぎ、小倉は梅木から中央でパスを受けた。
ゴールまでは25メートルほど。「ミドルの意識はつけさせてきたなかで、パーセンテージも取ったうえでチームとしてミドルのゴール確率が低かった」(船越優蔵監督)。そうした課題を払拭すべく、小倉は迷わず右足を振り抜く。鋭い低弾道のシュート。放たれたボールはポストに当たってゴールの中に転がった。
「自分が1本は打つ。そういう意識があった」とは小倉の言葉。指揮官の教えを体現し、成果を出してみせた。
【動画】目が覚めるような小倉幸成の強烈グラウンダーショット弾!
振り返れば、小倉はこのチームで当初、絶対的な選手ではなかった。それでも這い上がり、レギュラーの座を手にして、今では副キャプテンを任されるまでになった。昨年3月のヨルダン遠征で代表入りを果たした時、その場で船越監督に決意表明をしていたという。
「死に物狂いで僕はチームに残ります」
鹿島アントラーズユースでキャプテンを務め、世代別の代表に選ばれるだけの実績を残してきた自負もある。しかし、トップチームには昇格できず、船越ジャパンでチームメイトはプロの世界で戦う者ばかり。生き残るためには、相当な努力と結果が必要になると誰よりも理解していた。
ヨルダン遠征直後に進学した法政大で技を磨き、代表チームでもアピールを継続。その結果、レギュラーポジションを掴み、昨年9月のU-20アジアカップ予選では、ボール奪取能力の高さを随所に発揮。決して派手なプレーをするわけではない。だが、献身的な働きで代えがきかない存在になった。
イラン戦は1-1で突入したPK戦を4-3で制し、目標としていたU-20ワールドカップの出場権を獲得。母が開催地の中国まで応援に駆けつけていたなかで小倉も勝利に貢献してみせた。
しかし、戦いはまだ終わっていない。アジア王者というもう1つの目標が残されている。「またここから競争が始まる」(小倉)。26日の準決勝オーストラリア戦は累積警告で出場停止となるが、仲間に託して決勝に向けて準備を進めていく。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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鹿島アントラーズユースでキャプテンを務め、世代別の代表に選ばれるだけの実績を残してきた自負もある。しかし、トップチームには昇格できず、船越ジャパンでチームメイトはプロの世界で戦う者ばかり。生き残るためには、相当な努力と結果が必要になると誰よりも理解していた。
ヨルダン遠征直後に進学した法政大で技を磨き、代表チームでもアピールを継続。その結果、レギュラーポジションを掴み、昨年9月のU-20アジアカップ予選では、ボール奪取能力の高さを随所に発揮。決して派手なプレーをするわけではない。だが、献身的な働きで代えがきかない存在になった。
イラン戦は1-1で突入したPK戦を4-3で制し、目標としていたU-20ワールドカップの出場権を獲得。母が開催地の中国まで応援に駆けつけていたなかで小倉も勝利に貢献してみせた。
しかし、戦いはまだ終わっていない。アジア王者というもう1つの目標が残されている。「またここから競争が始まる」(小倉)。26日の準決勝オーストラリア戦は累積警告で出場停止となるが、仲間に託して決勝に向けて準備を進めていく。
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