「聞きたくない言葉を連呼していくのが重要だったりもする」
FC町田ゼルビアの黒田剛監督が、那須大亮氏のYouTubeチャンネルに出演。昨季を振り返った。
まず黒田監督は、クラブのJ1初挑戦で3位と躍進した2024シーズンについて、連敗が1度だけだった点を評価する。
「初めての挑戦なので、過去にデータがあるわけでもないし、手探り状態で行かなければならないところも、もちろんある。ただ(23シーズンに)J2を優勝したチームの土台作りは、そのまま活かして活きたことが根底にあった。負けることは、もちろんあっても連敗しないチーム。J2では1回もなかった。
去年は1回だけ。J2、J1と約80試合やって連敗は1回だけなので、そういう意味では、彼らがやるべきことをしっかりと捉えて年間を通じてブレずにやり切る。そういう姿勢を持って日常を過ごしてくれたことは、すごく良かったと思う」
一方、チームは一時首位に立ちながら、最終的に優勝したヴィッセル神戸と2位のサンフレッチェ広島に追い抜かれた。
「少し足踏みをした時期、後半戦、これはJ2でもあった。精神的なところ、または暑さに対する体力的なところ、あとは移籍に関わるちょっとした計算違いだったり、怪我に対して出遅れた感があったり、いろんなものが災いとなった時に、もう1つそこを超えていける何かが必要だったと思うけど、そこが足りなかったと思う」
その足りなかった要素は明確に把握できているようだ。
「1つはリーダーが足りない。強かったチームは各ポジションにリーダーがいた。どんな時でも、監督、コーチ、関係なく、チームの中でしっかりとゲームをコントロールし、イニシアチブを取りながら上手くゲーム運びができる選手たちが、神戸にも広島にもいた。そこにちょっと我々は届かなかった。差を感じたと思える試合もあったので、今年のテーマの1つとして、ピッチの中で1人でも多くのリーダーが存在していること。それがACLも含めた長丁場を乗り切っていく1つの大きい部分なのかと思いました」
黒田監督は、青森山田高を約30年指揮し、教員生活と並行しながら同高を全国屈指の強豪に育て上げた。その経験から伝え方を実感し、普段から人に響く言葉を集めてきたと明かす。
ただ、チームが上手くいっていない局面では、あえて選手にとって耳の痛い言葉を口にすることもあるという。
「根拠なく『切り替えていこう』と伝えることは簡単ではあるけども、実際にそこに納得感があるかどうかは、ちょっとクエスチョンで。自分が選手だったら、そういう言葉で切り替えることができたとしても、次に勝てる保証もないし、いろんな不安にかられる。現実問題として、チーム内で起こっているいろんな現象が、まだ改善されたわけでもないのに、根拠のない形での導き方は、あまり適切ではないというか無責任だと感じている自分がいて。
そのタイミングによって、選手たちがどんな言葉を聞きたいのか。または聞きたくないのか。今は聞きたくない言葉を投げかけた方がいいとか、今はこの言葉で選手たちは奮起するだろうとか。選手の立場になって、どういう言葉が目を覚ます瞬間なのか。そういうものを常に模索していくのが、たぶん監督として日常、我々が詰めているところで。もし連敗を阻止するために、また彼らが自信を喪失してる時にあえて彼らが聞きたくない言葉を連呼していくのが重要だったりもする」
【画像】際立つデザインがずらり! Jクラブの2025年シーズン新ユニホームを特集!
まず黒田監督は、クラブのJ1初挑戦で3位と躍進した2024シーズンについて、連敗が1度だけだった点を評価する。
「初めての挑戦なので、過去にデータがあるわけでもないし、手探り状態で行かなければならないところも、もちろんある。ただ(23シーズンに)J2を優勝したチームの土台作りは、そのまま活かして活きたことが根底にあった。負けることは、もちろんあっても連敗しないチーム。J2では1回もなかった。
去年は1回だけ。J2、J1と約80試合やって連敗は1回だけなので、そういう意味では、彼らがやるべきことをしっかりと捉えて年間を通じてブレずにやり切る。そういう姿勢を持って日常を過ごしてくれたことは、すごく良かったと思う」
一方、チームは一時首位に立ちながら、最終的に優勝したヴィッセル神戸と2位のサンフレッチェ広島に追い抜かれた。
「少し足踏みをした時期、後半戦、これはJ2でもあった。精神的なところ、または暑さに対する体力的なところ、あとは移籍に関わるちょっとした計算違いだったり、怪我に対して出遅れた感があったり、いろんなものが災いとなった時に、もう1つそこを超えていける何かが必要だったと思うけど、そこが足りなかったと思う」
その足りなかった要素は明確に把握できているようだ。
「1つはリーダーが足りない。強かったチームは各ポジションにリーダーがいた。どんな時でも、監督、コーチ、関係なく、チームの中でしっかりとゲームをコントロールし、イニシアチブを取りながら上手くゲーム運びができる選手たちが、神戸にも広島にもいた。そこにちょっと我々は届かなかった。差を感じたと思える試合もあったので、今年のテーマの1つとして、ピッチの中で1人でも多くのリーダーが存在していること。それがACLも含めた長丁場を乗り切っていく1つの大きい部分なのかと思いました」
黒田監督は、青森山田高を約30年指揮し、教員生活と並行しながら同高を全国屈指の強豪に育て上げた。その経験から伝え方を実感し、普段から人に響く言葉を集めてきたと明かす。
ただ、チームが上手くいっていない局面では、あえて選手にとって耳の痛い言葉を口にすることもあるという。
「根拠なく『切り替えていこう』と伝えることは簡単ではあるけども、実際にそこに納得感があるかどうかは、ちょっとクエスチョンで。自分が選手だったら、そういう言葉で切り替えることができたとしても、次に勝てる保証もないし、いろんな不安にかられる。現実問題として、チーム内で起こっているいろんな現象が、まだ改善されたわけでもないのに、根拠のない形での導き方は、あまり適切ではないというか無責任だと感じている自分がいて。
そのタイミングによって、選手たちがどんな言葉を聞きたいのか。または聞きたくないのか。今は聞きたくない言葉を投げかけた方がいいとか、今はこの言葉で選手たちは奮起するだろうとか。選手の立場になって、どういう言葉が目を覚ます瞬間なのか。そういうものを常に模索していくのが、たぶん監督として日常、我々が詰めているところで。もし連敗を阻止するために、また彼らが自信を喪失してる時にあえて彼らが聞きたくない言葉を連呼していくのが重要だったりもする」
【画像】際立つデザインがずらり! Jクラブの2025年シーズン新ユニホームを特集!
チームとしての決まりごとができていない選手がいる場合、名指しで公言することもある。
「よくインタビューなど監督のコメントで『勝てなかったのは全部自分の責任です』『勝たせられなかった自分が悪いんです』という監督も多くいて。もちろん世間的にも、それが一番、綺麗に見える形かもしれない。選手の責任にしないで監督が全部責任を取るって、すごく日本の美学的には素晴らしいかもしれないけど、選手たちにとって、果たしてその言葉が適切で本当に欲しい言葉なのか。ちょっと違うと思っている。
もしチームでやろうとしているコンセプトに対してズレが生じたり、それを徹底できない選手がいた時に、そこは名指しであっても指摘する。それによって本当に一生懸命、尽力してきた選手たちが、どれだけ救われるか。自分からはチームメイトとしては、なかなか先輩とかに言いにくいけど、同僚としてガツンとは言いにくいけど、監督が犠牲心を持って言う。
それによって『監督が言ってくれた』と選手たちはどれぐらい救われるか。だから『全部監督の責任です』で逃げることは簡単だけど、その美学は自分にはない」
新シーズンに向けては、昨季の躍進の要因となった堅守や高い強度を維持したうえで、さらなるバージョンアップを図る。
「町田のベースたるもの、それはいろんな局面で語られていることもあると思う。それを大きく変えて、何か新しいものを構築するのではなくて、ベースとし、いろんなものを肉付けしていきたい。この2年間で通用したことと、通用しなかったこと。または、これをやったから失点してしまったとか、これをやらなかったから失点してしまったというのも明らかに自分のなかでは、描けている。
そういったものを選手たちに浸透させながら、日々を過ごしていきたいところもある。かといって全てが成功するわけでもないし。いろんな考えてなかったことが起こるのもサッカーだし。
ただ負けること、予期せぬ失点をしてしまうことも想定したなかで、どうコントロールしていくかが、今年のテーマにもなってくる。攻守にわたって失点の計算はある程度できるけれども、攻撃に関して、得点をなかなか多く積み重ね上げられない時期もあった。その時に起こっていた、いろんな現象を分析も含めて考察し、そこがきちっと埋まるように今回の補強もあるので、そこに厚みを持って攻撃のクオリティも含めてスピード感、強度、インテンシティを、さらに高いレベルに引き上げられるようにチーム作りをしていきたいと思っています」
今季もじっくりとチーム作りに取り組んでいく。
「選手または自分自身に高いハードルを課して、それで達成できたか、できないかという、そんな単純なシーズンではないと思う。1試合、1試合が勝負だし、その積み重ねがどうかでしか、順位は出てこない。まずはそこにしっかりと焦点を絞っていくこと。最終的には去年と何ら変わることなく最低ラインは5位以上。
これは最低ラインであって、あわよくば何かのタイトルに手をかけていきたい思惑はあるし、あまり先を見すぎて足もとがぶらつくようなブレブレの状態は作りたくない。まだJ1で2年目のチームなので、しっかりと地盤を固め、そして常勝チームとしてJ1で上位に君臨していけるようなチーム作りをしていきたい。駆け足でやることの怖さも知っているし、一気に組織が崩れることも知っているので、そこは慎重に石橋を叩いていきたいと思いますね」
24シーズンでJ1を大いに沸かせた町田は、新シーズンでどのような戦いを見せるか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
【記事】「相手からしたら普通に嫌でしょ」高い!強い!多い!町田の破壊力は確実にアップ。1番おいしいのは昌子源?
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「よくインタビューなど監督のコメントで『勝てなかったのは全部自分の責任です』『勝たせられなかった自分が悪いんです』という監督も多くいて。もちろん世間的にも、それが一番、綺麗に見える形かもしれない。選手の責任にしないで監督が全部責任を取るって、すごく日本の美学的には素晴らしいかもしれないけど、選手たちにとって、果たしてその言葉が適切で本当に欲しい言葉なのか。ちょっと違うと思っている。
もしチームでやろうとしているコンセプトに対してズレが生じたり、それを徹底できない選手がいた時に、そこは名指しであっても指摘する。それによって本当に一生懸命、尽力してきた選手たちが、どれだけ救われるか。自分からはチームメイトとしては、なかなか先輩とかに言いにくいけど、同僚としてガツンとは言いにくいけど、監督が犠牲心を持って言う。
それによって『監督が言ってくれた』と選手たちはどれぐらい救われるか。だから『全部監督の責任です』で逃げることは簡単だけど、その美学は自分にはない」
新シーズンに向けては、昨季の躍進の要因となった堅守や高い強度を維持したうえで、さらなるバージョンアップを図る。
「町田のベースたるもの、それはいろんな局面で語られていることもあると思う。それを大きく変えて、何か新しいものを構築するのではなくて、ベースとし、いろんなものを肉付けしていきたい。この2年間で通用したことと、通用しなかったこと。または、これをやったから失点してしまったとか、これをやらなかったから失点してしまったというのも明らかに自分のなかでは、描けている。
そういったものを選手たちに浸透させながら、日々を過ごしていきたいところもある。かといって全てが成功するわけでもないし。いろんな考えてなかったことが起こるのもサッカーだし。
ただ負けること、予期せぬ失点をしてしまうことも想定したなかで、どうコントロールしていくかが、今年のテーマにもなってくる。攻守にわたって失点の計算はある程度できるけれども、攻撃に関して、得点をなかなか多く積み重ね上げられない時期もあった。その時に起こっていた、いろんな現象を分析も含めて考察し、そこがきちっと埋まるように今回の補強もあるので、そこに厚みを持って攻撃のクオリティも含めてスピード感、強度、インテンシティを、さらに高いレベルに引き上げられるようにチーム作りをしていきたいと思っています」
今季もじっくりとチーム作りに取り組んでいく。
「選手または自分自身に高いハードルを課して、それで達成できたか、できないかという、そんな単純なシーズンではないと思う。1試合、1試合が勝負だし、その積み重ねがどうかでしか、順位は出てこない。まずはそこにしっかりと焦点を絞っていくこと。最終的には去年と何ら変わることなく最低ラインは5位以上。
これは最低ラインであって、あわよくば何かのタイトルに手をかけていきたい思惑はあるし、あまり先を見すぎて足もとがぶらつくようなブレブレの状態は作りたくない。まだJ1で2年目のチームなので、しっかりと地盤を固め、そして常勝チームとしてJ1で上位に君臨していけるようなチーム作りをしていきたい。駆け足でやることの怖さも知っているし、一気に組織が崩れることも知っているので、そこは慎重に石橋を叩いていきたいと思いますね」
24シーズンでJ1を大いに沸かせた町田は、新シーズンでどのような戦いを見せるか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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