17歳でのMVP受賞は史上最年少
1年足らずでこれほどの急成長を遂げた選手は、世界でも珍しいのではないか。
ブラジルでいま、最も注目を集めている若手がメッシーニョ(小さなメッシ)のニックネームで知られるパルメイラスのエステバンだ。
2023年12月、ブラジル全国リーグの最終節でトップチームにデビュー(途中出場)した逸材アタッカーは、24年1月末から4月上旬まで行なわれたサンパウロ州選手権ではチームの16試合中5試合に途中出場して1アシストを記録。勢いは止まらず、4月中旬に始まった24年シーズンのブラジル全国リーグでレギュラーに抜擢されると、31試合で13得点・9アシストと躍動し、テレビ局『ESPNブラジル』によるシーズンMVP、ベストイレブン、新人王に輝いたのである。
17歳でのMVP受賞は史上最年少で、個人賞“三冠”も初の快挙だった。
左利きの右ウイング。超高速の跨ぎフェイントとスピードの緩急でマーカーを翻弄し、カットインから左足で強烈なシュートを放ち、あるいは縦へ突破して良質のクロスを入れる。ほぼ常に2人のマークが付くが、全く頓着せず、果敢に勝負を挑む。今シーズンの後半戦は、FKやミドルシュートでネットを揺らすようにもなった。
この活躍を欧州のビッグクラブが見逃すはずもなく、レアル・マドリー、バルセロナ、マンチェスター・シティなど6クラブによる激しい争奪戦の末、24年6月、チェルシーが移籍金3400万ユーロ(約56億円。ボーナスも加えると5700万ユーロ=約94億円)で獲得した。当面はパルメイラスでプレーを続け、25年7月にチェルシーに加わる予定だ。
【画像】個人賞トロフィーにご満悦のエステバン
ブラジルでいま、最も注目を集めている若手がメッシーニョ(小さなメッシ)のニックネームで知られるパルメイラスのエステバンだ。
2023年12月、ブラジル全国リーグの最終節でトップチームにデビュー(途中出場)した逸材アタッカーは、24年1月末から4月上旬まで行なわれたサンパウロ州選手権ではチームの16試合中5試合に途中出場して1アシストを記録。勢いは止まらず、4月中旬に始まった24年シーズンのブラジル全国リーグでレギュラーに抜擢されると、31試合で13得点・9アシストと躍動し、テレビ局『ESPNブラジル』によるシーズンMVP、ベストイレブン、新人王に輝いたのである。
17歳でのMVP受賞は史上最年少で、個人賞“三冠”も初の快挙だった。
左利きの右ウイング。超高速の跨ぎフェイントとスピードの緩急でマーカーを翻弄し、カットインから左足で強烈なシュートを放ち、あるいは縦へ突破して良質のクロスを入れる。ほぼ常に2人のマークが付くが、全く頓着せず、果敢に勝負を挑む。今シーズンの後半戦は、FKやミドルシュートでネットを揺らすようにもなった。
この活躍を欧州のビッグクラブが見逃すはずもなく、レアル・マドリー、バルセロナ、マンチェスター・シティなど6クラブによる激しい争奪戦の末、24年6月、チェルシーが移籍金3400万ユーロ(約56億円。ボーナスも加えると5700万ユーロ=約94億円)で獲得した。当面はパルメイラスでプレーを続け、25年7月にチェルシーに加わる予定だ。
【画像】個人賞トロフィーにご満悦のエステバン
今年8月にはセレソン(ブラジル代表)に初招集され、9月6日の2026年ワールドカップ(W杯)南米予選のエクアドル戦に途中出場。17歳135日での出場は、史上5番目の若さだった(最年少記録はペレの16歳257日)。9月10日のパラグアイ戦(0-1)、11月のベネズエラ戦とウルグアイ戦(いずれも1-1)にも出場した。ただし、セレソンではまだ控えの位置付けで、一度も先発していない。
エステバンについてネイマールは「驚異的な才能の持ち主で、僕の17歳だった頃よりずっと上。天才じゃないかな」と褒めちぎる。
パルメイラスは、25年6月から7月にかけてアメリカで開催されるクラブ・ワールドカップに出場。グループステージでポルト、インテル・マイアミ、アル・アハリ(エジプト)と対戦する。そしてこの大会を最後に、エステバンは大西洋を渡る。
今後、欧州でさらに成長して世界的なスーパースターとなり、セレソンでも主力を張れるかどうか。2025年はメッシーニョにとって極めて重要な年となる。
文●沢田啓明
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。
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エステバンについてネイマールは「驚異的な才能の持ち主で、僕の17歳だった頃よりずっと上。天才じゃないかな」と褒めちぎる。
パルメイラスは、25年6月から7月にかけてアメリカで開催されるクラブ・ワールドカップに出場。グループステージでポルト、インテル・マイアミ、アル・アハリ(エジプト)と対戦する。そしてこの大会を最後に、エステバンは大西洋を渡る。
今後、欧州でさらに成長して世界的なスーパースターとなり、セレソンでも主力を張れるかどうか。2025年はメッシーニョにとって極めて重要な年となる。
文●沢田啓明
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。
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