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「明秀のプライドにかけても絶対に勝たないと」貪欲に己を磨き続けた柴田健成が再び“特別な場所”へ。胸に刻まれた星の数を増やせるか【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2024年11月12日

インハイ予選決勝で敗れた鹿島学園にリベンジ

攻撃の軸として明秀日立を牽引する柴田。選手権の出場権獲得に「正直、ホッとしています」。写真:安藤隆人

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 昨年度のインターハイで、あれよあれよと強豪校をなぎ倒して決勝に進出した明秀日立。桐光学園との決勝戦は2-2のスコアで延長戦まで戦い抜き、PK戦の末に勝利して全国初優勝を達成。その名は一気に全国に轟いた。

 この決勝で2ゴールを挙げたのが、当時2年生だったFW柴田健成だ。右のサイドハーフで出場した柴田は、サイドから何度もスプリントを仕掛けて桐光学園の最終ラインを揺さぶると、11分に左サイドの折り返しに左足一閃でゴールに突き刺す。19分にはスルーパスからのこぼれ球に反応してゴールに押し込んだ。

 あの2ゴールから1年半。3年生になった柴田は、2年連続の選手権出場をかけた茨城県予選決勝の舞台に立った。この試合で彼は本来のポジションであるFWでスタメン出場。立ち上がりからインターハイ優勝メンバーであるFW竹花龍生との息の合ったコンビネーションを見せて、覇権奪還を狙うライバルの鹿島学園の守備網を揺さぶりにかかる。

 6分には左CKからニアでDF菅野一葵が粘ったこぼれ球に即座に反応し左足でゴールに蹴り込み、先制点をもたらした。

 後半に入ると鹿島学園も猛攻を仕掛け、押し込まれる時間もあったが、柴田は「自分の特長は運動量とハードワーク」と口にするように、前線からのプレスや相手ボランチへのプレスバックなどを積極的に行ない、チームの守備を助けた。

 52分には相棒の竹花が鮮やかなドリブルシュートを叩き込み、リードを2点に広げたこともあり、最後まで明秀日立の守備は崩れることなくタイムアップの時を迎えた。

「選手権には絶対に出たかったので、正直、ホッとしています」

 試合後、安堵の表情を浮かべた柴田にとって、全国大会は特別な場所だ。

「昨年のインターハイ優勝から大きく人生が変わりました。そのなかで周りからのプレッシャーとか研究・対策をすごく感じましたし、僕自身はより上の舞台を目ざすことに本気になった。自分の基準が大きく変わったからこそ、いろんなことを感じるようになりました」
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 全国大会は自分を大きく変えてくれる場所。昨年の夏にそれを経験し、さらにその年の選手権にも出場してベスト16に進出した。

「やはりレベルの高い舞台になればなるほど、ハードワークをすることは当たり前で、そのうえで点を決めることだったり、タメを作ったり、いろいろなことができないと通用しないし、その先のことを考えてもやっていくことができない。だからこそ、貪欲に自分を磨いていかないといけないと思っています」

 今年のインターハイは予選決勝で鹿島学園に0-2で敗れ、連覇の夢は県予選で断たれた。

「昨年は3年生に頼っていたなかで、今年は自分たちが引っ張っていかなければいけないのに、全国を経験できなかった責任を感じています」と、自分だけではなく後輩たちにインターハイを経験させてあげられなかったことに、その価値を理解している人間として大きな自責の念に駆られた。

「だからこそ、この選手権予選に全てをぶつけていた。明秀のプライドにかけても絶対に勝たないといけませんでした」

 柴田の自覚と意地が2年連続の選手権に導くゴールにつながった。

「選手権ではもう一度、日本一を狙いたい。チームのためにハードワークをしながら、いろんなパターンで点を取りたい。ここからやれるべきことをやります」

 胸に刻まれた1つの星の横にもう1つの星をつけたい――大舞台に強い柴田の本領は全国で発揮されるか。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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