攻撃のキーマンは、ワンタッチパスの使い手である清武だ。
5年ぶりに復活したキリンカップはノックアウト方式で行なわれ、ホスト国の日本は初戦でブルガリアに7-2で圧勝し、無事に決勝へと駒を進めた。
ファイナルの相手は、デンマークにPK勝ちしたボスニア・ヘルツェゴビナだ。2点のビハインドを背負いながらも、粘り強く追いつき、PK戦は4-3のスコアで勝ち上がってきた。
「相手は移動で疲れているところもありましたが、2試合目はかなり良くなっているはずです」と予想するヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「空中戦はかなり厳しくなるでしょう」と警戒を強める。
指揮官が言うように、たしかに“高さ”では苦しい戦いを強いられるだろう。デンマーク戦で2ゴールを決めているCFのミラン・ジュリッチは198センチ、トップ下でハイクオリティなテクニックを見せるレフティのハリス・メデゥニャニンは189センチ、ボランチのアネル・ハジッチは184センチ、CBのエディン・コカリッチも189センチと、センターラインに長身選手をズラリと揃えている。
対する日本に190㌢台はひとりもおらず、185センチ以上はCBの吉田麻也(189センチ)、SBの酒井宏樹(185センチ)、GKの川島永嗣(185センチ)の3人のみ。身長はどれだけトレーニングを積んでも伸びるものでもなく、「空中戦で我々を支配する相手に対してどう対応するか」(ハリルホジッチ監督)は、勝敗を分けるひとつのポイントになりそうだ。
フィジカルコンタクトを恐れず、果敢にエアバトルに挑まなければならないが、“相手の土俵”で真っ向勝負を仕掛けるだけでは、勝ち目はない。むしろ、いかに空中戦に持ち込ませないかを強く意識するべきだ。
「効果的な長いボールを蹴らせないように守備をしなければいけない。セカンドボールを拾い続けて、僕らがポゼッションできれば、長いボールも減ってくるだろうし。そこは頭を使ってやらなければいけない」(吉田)
9月から始まるロシア・ワールドカップのアジア最終予選を見据えても、日本より体格に勝る相手との対戦は、格好のシミュレーションになる。
「フィジカル的に強いチームと対戦する時は、いつも日本に不利な状況になる。オーストラリアもロングボールを多用してくるし、良いテストになると思う」(吉田)
また、ボスニア・ヘルツェゴビナは高さだけのチームではない。10番を背負う技巧派メデゥニャニンに時間とスペースを与えれば、一発で決定機につながるパスを通されるだろう。カウンターもサイド攻撃もシンプルだが力強く、かなりの高確率でシュートまで持っていく上手さがある。相手の高さばかりに気を取られているようだと、“地上戦”であっさりと失点するかもしれない。
一方の守備面は、局面では球際で激しさを見せる反面、組織的にはそこまで整備されていない印象で、自陣ゴール前でボールウォッチャーになる傾向がある。日本の持ち味であるアジリティを活かし、人数をかけて厚みのある攻撃を仕掛けられれば、相手はついてこられないだろう。
その意味では、ワンタッチパスを巧みに使いこなし、周囲と連動しながら攻撃をスピードアップできる清武弘嗣は、鍵を握る存在と言えそうだ。
ファイナルの相手は、デンマークにPK勝ちしたボスニア・ヘルツェゴビナだ。2点のビハインドを背負いながらも、粘り強く追いつき、PK戦は4-3のスコアで勝ち上がってきた。
「相手は移動で疲れているところもありましたが、2試合目はかなり良くなっているはずです」と予想するヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「空中戦はかなり厳しくなるでしょう」と警戒を強める。
指揮官が言うように、たしかに“高さ”では苦しい戦いを強いられるだろう。デンマーク戦で2ゴールを決めているCFのミラン・ジュリッチは198センチ、トップ下でハイクオリティなテクニックを見せるレフティのハリス・メデゥニャニンは189センチ、ボランチのアネル・ハジッチは184センチ、CBのエディン・コカリッチも189センチと、センターラインに長身選手をズラリと揃えている。
対する日本に190㌢台はひとりもおらず、185センチ以上はCBの吉田麻也(189センチ)、SBの酒井宏樹(185センチ)、GKの川島永嗣(185センチ)の3人のみ。身長はどれだけトレーニングを積んでも伸びるものでもなく、「空中戦で我々を支配する相手に対してどう対応するか」(ハリルホジッチ監督)は、勝敗を分けるひとつのポイントになりそうだ。
フィジカルコンタクトを恐れず、果敢にエアバトルに挑まなければならないが、“相手の土俵”で真っ向勝負を仕掛けるだけでは、勝ち目はない。むしろ、いかに空中戦に持ち込ませないかを強く意識するべきだ。
「効果的な長いボールを蹴らせないように守備をしなければいけない。セカンドボールを拾い続けて、僕らがポゼッションできれば、長いボールも減ってくるだろうし。そこは頭を使ってやらなければいけない」(吉田)
9月から始まるロシア・ワールドカップのアジア最終予選を見据えても、日本より体格に勝る相手との対戦は、格好のシミュレーションになる。
「フィジカル的に強いチームと対戦する時は、いつも日本に不利な状況になる。オーストラリアもロングボールを多用してくるし、良いテストになると思う」(吉田)
また、ボスニア・ヘルツェゴビナは高さだけのチームではない。10番を背負う技巧派メデゥニャニンに時間とスペースを与えれば、一発で決定機につながるパスを通されるだろう。カウンターもサイド攻撃もシンプルだが力強く、かなりの高確率でシュートまで持っていく上手さがある。相手の高さばかりに気を取られているようだと、“地上戦”であっさりと失点するかもしれない。
一方の守備面は、局面では球際で激しさを見せる反面、組織的にはそこまで整備されていない印象で、自陣ゴール前でボールウォッチャーになる傾向がある。日本の持ち味であるアジリティを活かし、人数をかけて厚みのある攻撃を仕掛けられれば、相手はついてこられないだろう。
その意味では、ワンタッチパスを巧みに使いこなし、周囲と連動しながら攻撃をスピードアップできる清武弘嗣は、鍵を握る存在と言えそうだ。