現在進行中のロシア・ワールドカップ予選では、ブラジルが6位、エクアドルが2位と、力関係がややこれまでとは違った状況で、大会初戦を迎えた。
エクアドルは試合開始直後から厳しいプレッシャーをかけ、高い位置でボールを奪う。4分にはミレル・ボラーニョスのきわどいミドルで、ブラジルに先んじてオープニングシュートを放った。
しかし、その後はブラジルがボールを持つ時間が圧倒的に長くなる。至宝ネイマールがいないブラジルだが、右のウィリアン、左のフィリッペ・コウチーニョが攻撃面で中心となり、積極的な仕掛けでチャンスを生み出そうとしていった。
5分には、ウィリアンが巧みなドリブルでDF2人をかわして絶妙な位置にクロスを入れ、DFより先にゴール前に飛び込んだコウチーニョが合わせる(GKがブロック)。コウチーニョは17分にも、流れのなかから惜しいミドルを放った。
この2人に対し、前線のジョナス、中盤のエリアス、レナト・アウグスト、そしてダニエウ・アウベス、フィリペ・ルイスの両SBが的確な動きで絡み、エクアドルのゴールに迫っていく。
人数を割いた相手の堅い守備の前になかなかフィニッシュまで持ち込めないものの、チームとして連動した動きでチャンスを作る前半のブラジルには、好印象を抱くことができた。
一方のエクアドルは、ポゼッションのブラジルに対し、鋭いカウンターで対抗。ボールを奪った際、選手が素早くスペースに走り込み、そこにパスが正確に通る様からは、チームとしての戦い方が徹底されていることが窺えた。
前半はともに良さを出したが、後半になるとブラジルはトーンダウン。前半のようなチームでの連動性が消え、個々の積極的な仕掛けもなくなり、無難にボールを回すだけの時間が続く。
一方のエクアドルは前半同様、ボールを奪った際のカウンターはブラジルを慌てさせる。
66分には、ボラーニョスのゴールラインぎりぎりから放ったクロス(シュート?)をブラジルGKアリソンがキャッチしそこなってボールはゴール内に転がったが、その前のプレーでゴールラインを割っていたという判定で無効とされた。
ブラジルは期待のガブリエウ、ルーカス・モウラ、ルーカス・リマを投入して状況打破を試みるも、アイデアと迫力に欠ける攻撃に終始。82分、レナト・アウグストの左からのクロスに、ルーカス・モウラが頭で合わせた(枠外)プレーが最大にして唯一の得点機だった。
試合は0-0で終了。22年前、このローズボウル・スタジアムでブラジルは無得点のままPK戦の末にイタリアを下し、現代表監督のドゥンガがキャプテンとして黄金のトロフィーを天に掲げたが、今回のスコアレスドローからブラジルに明るい未来を見出すのは難しい……。
◎コパ・アメリカ・センテナリオ
グループステージ2日目・結果&順位
◇グループA
コスタリカ 0-0 パラグアイ
順位:1位コロンビア(勝点3)、2位コスタリカ、パラグアイ(勝点1)、4位アメリカ(勝点0)
◇グループB
ハイチ 0-1 ペルー
得点:ホセ・ゲレーロ(61分)
ブラジル 0-0 エクアドル
順位:1位ペルー(勝点3)、2位ブラジル、エクアドル(勝点1)、4位ハイチ(勝点0)
