５月27日にジョゼ・モウリーニョの新監督就任が決定したマンチェスター・ユナイテッドが、“クレイジー”なことを考えている。
 
「ネイマールは獲れないだろうか？」
 
　まるで夢のような話だが、サッカー界に絶対はない。「100％無理」とは言い切れず、「１％の可能性」はあるだろう。
 
　もちろん、バルセロナにネイマールを手放そうという気持ちはひと欠片も、本当にほんのひと欠片もない。ネイマール本人も自分の力を存分に発揮できるバルサの環境に心から満足しており、グラウ・グラーナのユニホームをできるだけ長く着続けたいと願っている。
 
　しかしそれでも、モウリーニョのユナイテッドは諦めずにトライするだろう。いや、実際すでに動き出している。ネイマール本人と代理人である父親とは接触済みで、さらなるコンタクトも予定に入っている。１億9000万ユーロ（約237億円）という法外な違約金を支払うことすら、検討の対象になっているのだ。
 
　クラブの伝統とステイタスに相応しい勝利とスペクタクルの両立には、クオリティーとカリスマ性を兼ね備えた世界最高レベルのスーパースターが不可欠――。モウリーニョとユナイテッドの考えは明快だ。
 
　繰り返そう。“モウ・ユナイテッド”はネイマール獲得というオペレーションに挑戦している。「１％しか可能性がない」と承知で、だ。
 
文：ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳：片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO（ジャンルカ・ディ・マルツィオ）／1974年３月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年１月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。