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「サッカーを知っている」日本代表の波状攻撃を生み出すボランチコンビの格別な存在感。舵を取れるMFがいるチームは強い 【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2024年10月06日

周りの選手の良さを十全に生かしていた

日本代表の心臓である守田(左)と遠藤(右)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 今年9月、2026年W杯アジア最終予選、森保一監督が率いる日本は、中国、バーレーンを相手に12得点で連勝スタートしている。

 日本は攻守両面で、相手を圧倒していた。戦術的に整備され、実にロジカルなプレーだった。それは欧州のトップリーグで戦う選手個人の能力が大きく上回っていたのはあるだろうが...。

 遠藤航、守田英正のボランチ二人が、チーム全体の舵を取っていた。どちらも、欧州チャンピオンズリーグに出場するリバプール、スポルティング・リスボンというビッグクラブでプレー。その経験と実績は伊達ではない。中盤で巧みにポジションを変えながら、プレースピードも調整し、スペースを支配しながら、周りの選手の良さを十全に生かしていた。

「サッカーを知っている」

 二人のプレーはそこに尽きるだろう。

 ピッチのどこに立つべきか、どのタイミングで動くべきか、その選択の精度が際立って高い。自分自身が活躍を遂げるよりも、周りの選手がそれぞれ良いプレーができるように、猶予を与えられる。時間やスペースの優位をもたらすことで、アドバンテージをもたらすのだ。
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 バーレーン戦、遠藤、守田がパスをつなぐことで、リズムが生まれた。それが潤滑な攻撃につながった。相手に跳ね返されても、自然とボールがこぼれるポジションにいて、波状攻撃も生み出していたのである。

 前半33分、先制点のPKにつながった場面は象徴的だった。バックラインから入ったボールを南野拓実がポストで落としたところ、それを受けた守田がダイレクトで裏へ。相手ディフェンスに跳ね返されたが、遠藤がクリアを回収。すかさず、右に流れた鎌田大地にパスを入れ、その仕掛けから蹴ったクロスがハンドの判定で、PKにつながった。

 二人は攻守一体で、常に味方を的確にサポートしていた。

 バーレーン戦の3得点目も、遠藤、守田がパスをつないだ後だった。守田が上田綺世にパスをつけ、一気に走り出し、落としを受けて持ち込み、ファーサイドにシュートを決めた。パス交換でリズムを作った後、一気にギアを入れるプレーだ。

 昨シーズン、シャビ・アロンソ監督が率いてセンセーションを巻き起こしたドイツのレバークーゼンにも、戦術的に優れるMFがいた。スイス代表グラニト・ジャカ、ドイツ代表ロベルト・アンドリヒ、アルゼンチン代表エセキエル・パラシオスというMFたちはお互いが生かし合い、チームに相乗効果を引き起こし、攻守のバランスを取っていた。

 チームの舵を取れるMFがいるチームは強い。

文●小宮良之

【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。

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