「大岩さんに金メダルを取らせてあげたかった」
悔やんでも悔やみ切れない。「スペインに勝っていれば、みんなともう2試合戦えた」。CB木村誠二(鳥栖)が帰国直後に語った言葉に嘘偽りはない。仲間とスタッフ。大岩ジャパンで戦った2年半は濃密で、何事にも代えがたい特別な時間だった。
8月4日、パリ五輪に出場していたU-23日本代表が帰国。羽田空港内で取材に応じ、選手たちはスタッフと最後の別れを惜しむなか、報道陣の前に現われた木村は、0-3で敗れたスペインとの準々決勝を振り返りつつ、悔しさを滲ませた。
「最後のクオリティ。特にシュートの部分は...。スペインの1点目、2点目はめちゃくちゃうまかったし、あそこを決めてくるのがトップレベルの選手だなと感じた。ちょっとパスがずれたり、中盤でプレスをハメた時に今までは奪えていたけど、スペインはうまく身体を入れてきて前を向いてきた。個人技の部分で剥がされるところがかなりあったので、個人の能力差はあったのだろうなと」
木村は大岩ジャパンの活動に立ち上げから参加。2022年3月上旬の国内合宿から最後の本大会まで継続してメンバーに入った。だが、道のりは平坦ではなく、最初から主力としてプレーしていたわけではない。
当初はCBの絶対的なレギュラーというわけではなかった。そこから地道に評価を上げていったが、所属クラブでは出場機会を得られない日々が続いた。育成組織から籍を置いていたFC東京を飛び出し、相模原、山形、京都などで武者修行。手応えを得てFC東京に戻ったが、森重真人らの牙城を崩すまでには至らなかった。
【PHOTO】U-23日本代表のスペイン戦出場15選手&監督の採点・寸評。攻守で存在感の高井、“幻ゴール”の細谷も評価
8月4日、パリ五輪に出場していたU-23日本代表が帰国。羽田空港内で取材に応じ、選手たちはスタッフと最後の別れを惜しむなか、報道陣の前に現われた木村は、0-3で敗れたスペインとの準々決勝を振り返りつつ、悔しさを滲ませた。
「最後のクオリティ。特にシュートの部分は...。スペインの1点目、2点目はめちゃくちゃうまかったし、あそこを決めてくるのがトップレベルの選手だなと感じた。ちょっとパスがずれたり、中盤でプレスをハメた時に今までは奪えていたけど、スペインはうまく身体を入れてきて前を向いてきた。個人技の部分で剥がされるところがかなりあったので、個人の能力差はあったのだろうなと」
木村は大岩ジャパンの活動に立ち上げから参加。2022年3月上旬の国内合宿から最後の本大会まで継続してメンバーに入った。だが、道のりは平坦ではなく、最初から主力としてプレーしていたわけではない。
当初はCBの絶対的なレギュラーというわけではなかった。そこから地道に評価を上げていったが、所属クラブでは出場機会を得られない日々が続いた。育成組織から籍を置いていたFC東京を飛び出し、相模原、山形、京都などで武者修行。手応えを得てFC東京に戻ったが、森重真人らの牙城を崩すまでには至らなかった。
【PHOTO】U-23日本代表のスペイン戦出場15選手&監督の採点・寸評。攻守で存在感の高井、“幻ゴール”の細谷も評価
意を決して五輪イヤーの今季は鳥栖に期限付き移籍したが、シーズン前のキャンプで負傷。怪我で戦列を離れ、3月の代表活動は不参加に。それでも、大岩剛監督の信頼は揺るがず、4月半ばから5月初旬にかけて行なわれたU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選を兼ねる)のメンバーに選出。負ければパリへの切符を逃すことになる準々決勝のカタール戦(4-2)では、チームを敗戦から救う値千金の同点弾を決めるなど、攻守でチームを支えた。
大会後に再び負傷し、パリ五輪前最後の活動となった6月のアメリカ遠征はメンバー外に。コンディションが安定しないなかでも、大岩監督は木村の力を信じて本大会に連れていってくれた。その恩義を木村も感じており、感謝の言葉を述べた。
「大岩さんにはずっと感謝してきたし、今回のオリンピックも呼んでいただいて、本当に信頼をしてくれているというのを感じていた。僕が不調の時も見てくれていたし、代表での経験がなければ、今ここに立ててはいない。大岩ジャパンに2年半しっかり関われたこと、そして得られたもの。今後に向かっていく目標、サッカー人生の見え方もある程度決まってきたので、本当に感謝しています。なので、最後は優勝して、大岩さんに金メダルを取らせてあげたかったです」
大岩監督と戦った2年半は木村にとって財産だ。3試合にフル出場したパリ五輪はベスト8で幕を閉じたが、この経験を持って次のステージに向かう。どんな時も自分を信じてくれた師に恩返しをすべく、木村は胸を張って挑戦を続けていく。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
【記事】「世界中の誰も理解していない」「同情しかない」大岩ジャパンの“ゴ―ル取り消し”に中国でも不満の声相次ぐ!「DFに背を向けてオフサイドになる選手を初めて見た」【パリ五輪】
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「大岩さんにはずっと感謝してきたし、今回のオリンピックも呼んでいただいて、本当に信頼をしてくれているというのを感じていた。僕が不調の時も見てくれていたし、代表での経験がなければ、今ここに立ててはいない。大岩ジャパンに2年半しっかり関われたこと、そして得られたもの。今後に向かっていく目標、サッカー人生の見え方もある程度決まってきたので、本当に感謝しています。なので、最後は優勝して、大岩さんに金メダルを取らせてあげたかったです」
大岩監督と戦った2年半は木村にとって財産だ。3試合にフル出場したパリ五輪はベスト8で幕を閉じたが、この経験を持って次のステージに向かう。どんな時も自分を信じてくれた師に恩返しをすべく、木村は胸を張って挑戦を続けていく。
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