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神村学園の攻守を支えるMF松下永遠。進化したゲームメイカーが見せる圧巻の存在感【総体】

カテゴリ:高校・ユース・その他

森田将義

2024年08月03日

指揮官も今大会の働きぶりに賛辞を贈る

準決勝ではパスや中盤での持ち運びでリズムを作った松下。写真:滝川敏之

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[インハイ準決勝]神村学園 1-0 米子北/8月2日/Jヴィレッジスタジアム

 決勝までの5試合で25得点無失点と圧倒的な勝ち上がりを見せる神村学園高で、ひと際効いているのがMF松下永遠(3年)。長短のパスの質に拘るゲームメイカータイプのボランチだが運動量も豊富で、3列目からの持ち出しから攻撃のリズムも作れる選手だ。

 パワフルな守備が売りのMF鈴木悠仁(3年)との相性も良く、有村圭一郎監督はダブルボランチが見せる今大会の働きについて賛辞を贈る。

「2人は運動量があって弾けるし、運べるところが強み。前に速くボールを送る分、前に速く行かないといけないなか、色んな意味で2人が凄く目立つ大会になっていると僕らも感じています」

 米子北と激突した準決勝でも松下のプレーは目立っていた。「相手は走力がすごくあって粘り強かったので、難しい試合になった」と振り返る通り、序盤こそ縦に速い相手のスタイルに押し込まれる場面もあったが、攻守両面に顔を出し、チームメイトをサポート。パスと中盤での持ち運びでリズムを作りながら、前半29分にはFW名和田我空(3年)が身体を張って落としたボールに反応して、ミドルシュートも放った。

 決して派手なプレーをするタイプではないが、効果的なプレーが多く、試合を見ていた他チームのスタッフが「15番のような選手がいるとチームが助かる」と口にするほどの存在感だった。

 今ではチームに欠かせない選手となっている松下は、神村学園がある鹿児島県串木野市出身。小学生時代のチームメイトである鈴木やMF漆島幹大(3年)が中学校から神村学園への入学を決意する中、「寮生活を経験したかった」とJFAアカデミー福島入りを決めた。
 
 静岡の地でボールを追い掛ける日々を過ごしながらも、幼馴染たちが活躍するニュースが刺激になっており、高校からは地元に戻るつもりでいた。描いていた人生プラン通り、仲間たちに遅れて神村学園の門を叩いたが、決してレギュラーへの道のりは平たんではなかったという。
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 トップ下からボランチへのコンバートを経験しながら、1年目からAチームでの出場機会を掴んでいたが、2年目は「一番難しくて、苦しい時期でした」と話す。Bチームでの活躍が認められてAチームに昇格しても、自らの武器は一切出せない。幼馴染の鈴木が絶対的な立ち位置を手にする一方、松下はカテゴリーの昇降格を繰り返していた。それでも負けん気は人一倍強い。

「トレーニングから(名和田)我空や(新垣)陽盛、(鈴木)悠仁など昨年からずっと出ている選手に負けたくないと思っていた。それが気持ちというか執念になって、“絶対に負けない”といった自信に繋がっていった」

 中学時代にチームメイトだった広島ユースのDF木吹翔太(3年)、市立船橋高のMF峯野倖(3年)がチームで定位置を掴み、世代別代表に名を連ねていたことも彼の心に火を付けていた。

 高校に入ってからチームとして取り組んできたフィジカルトレーニングによって足腰が鍛えられたおかげで試合での活動量がアップし、3年目の今年はAチームに定着。インターハイ前には主将を務める名和田も松下の成長を口にしていた。シーズン当初は組み立てに不安を抱えていた名和田が中盤に落ちることも多かったが、松下に安心して託せる今は前でのプレーに専念できる。名和田がここまで大会トップの9得点を奪えているのも松下の存在が大きい。

 頂点まで残るは1試合だが、気負いした様子は見られない。「緊張せずにいつも通りやれば、神村学園は強い。いつも通りみんなで力を合わせて頑張って、優勝したいと思います」と意気込む松下はこれまで同様、攻守に顔を出してチームの勝利を支える。

取材・文●森田将義

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