スペインが史上最多４度目の優勝を成し遂げたEURO2024。その４年に一度の祭典前、海外サッカー専門誌『ワールドサッカーダイジェスト』では優勝予想アンケートを実施した。回答者は列強８か国（ドイツ、スペイン、イングランド、イタリア、フランス、オランダ、ポルトガル、ベルギー）の各エキスパート。その８人の中で、唯一スペイン優勝の予想を的中させたのが、ドイツの老舗専門誌『キッカー』のベンヤミン・ホフマン記者だ。同記者は大会前の時点で、スペインの何を評価していたのか。【以下、ワールドサッカーダイジェスト６月20日号より加筆・修正】

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　カタール・ワールドカップでは16強止まり。伏兵モロッコにPK戦の末に敗れた。そして今大会（EURO）の予選ではスコットランドに敵地で０－２と不覚を取った。

　それでもスペインを本命に推すのは、国によって力の入れ具合が異なるコンペティションとはいえ、2022－2023シーズンのUEFAネーションズリーグを制した実力が本物だからだ。準決勝ではイタリアに２－１で競り勝ち、決勝ではクロアチアをPK戦の末に退けた。
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　63歳のルイス・デ・ラ・フエンテ監督が率いるチームは統制がよく取れていて、なにより攻撃のタクトを振るうロドリの存在が頼もしい。この司令塔はマンチェスター・シティで１年半近くも負けを経験していなかった（23－24シーズンのFAカップ決勝で敗戦）。

　スペインに続くのはドイツ、イングランド、クロアチア。フランスには絶対的なリーダーの不在が気がかりだ。私はキリアン・エムバペからキャプテンらしさを感じたことがない。

文●ベンヤミン・ホフマン
2014年から『キッカー』誌の編集記者を務め、日夜ブンデスリーガを追いかける。サッカー組織や代理人の実情に迫る調査記事の作成が得意で、大学やセミナーの講師としても活躍。幼少期はメーメット・ショルやポール・ガスコイン、セルゲイ・キリアコフら風変わりな天才に憧れた。1983年生まれ。

翻訳●円賀貴子

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