世界中から畏怖されていた
EURO2024、イタリアはラウンド16でスイスに0-2と敗れ去っている。
GKジャンルイジ・ドンナルンマは好セーブを連発していた。守りの伝統に関しては、誇り高き末裔であることを示したと言えるだろう。そもそも、グループリーグをスペイン、クロアチアと競いながら勝ち上がったことは評価されるべきだ。
しかし、悲しさも漂った。
イタリアはスイスのロジカルな攻守に対し、手も足も出なかった。グラニト・ジャカのプレーメイクに後手に回り、マヌエル・アカンジ、ヤン・ゾマーの守備を脅かすことがほとんどできない。グループリーグでドンナルンマと並んで殊勲者だったリッカルド・カラフィオーリがイエローカード累積で出場停止だったこともあって、鉄壁のはずの砦も落とされた。
かつてのイタリアは、「つまらないサッカー」「カテナチオの遺構」「創造性や自由がない」とこき下ろされても、批判をはねつけるだけの強さがあった。分厚く、したたかな守りで相手を消耗させ、一撃を食らわせる。単純な堅守カウンターが、芸術の域まで高められていた。だからこそ、世界中から畏怖されていたのだ。
【PHOTO】EURO2024を華やかに彩った各国サポーターを特集!
GKジャンルイジ・ドンナルンマは好セーブを連発していた。守りの伝統に関しては、誇り高き末裔であることを示したと言えるだろう。そもそも、グループリーグをスペイン、クロアチアと競いながら勝ち上がったことは評価されるべきだ。
しかし、悲しさも漂った。
イタリアはスイスのロジカルな攻守に対し、手も足も出なかった。グラニト・ジャカのプレーメイクに後手に回り、マヌエル・アカンジ、ヤン・ゾマーの守備を脅かすことがほとんどできない。グループリーグでドンナルンマと並んで殊勲者だったリッカルド・カラフィオーリがイエローカード累積で出場停止だったこともあって、鉄壁のはずの砦も落とされた。
かつてのイタリアは、「つまらないサッカー」「カテナチオの遺構」「創造性や自由がない」とこき下ろされても、批判をはねつけるだけの強さがあった。分厚く、したたかな守りで相手を消耗させ、一撃を食らわせる。単純な堅守カウンターが、芸術の域まで高められていた。だからこそ、世界中から畏怖されていたのだ。
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例えば2006年ワールドカップ、イタリアは面白味のないサッカーで勝ち上がっていた。フランスとの決勝では、センターバックのマルコ・マテラッツィがジネディーヌ・ジダンを下品に挑発し、頭突きで退場させるという悪辣な手を用い、相手にペースを与えなかった。そして延長戦まで120分を戦い、PK戦で勝利を収め、世界の頂点になった。
そこまでワルになれるのが、イタリアの勝ち方で、そこは徹底していたと言えるだろう。
その点で、今回のイタリアの選手たちも、勝利に対する執着心は感じさせていた。クロアチア戦でのアディショナルタイムの劇的な得点は、その象徴だろう。彼らは最後の最後まで勝利を信じていた。
ただ、2006年に世界王者になったイタリアは、そこから先に勝ち進めるだけのタレントがいた。ファビオ・カンナバーロ、アレッサンドロ・ネスタがセンターバックを組み、中盤にはアンドレア・ピルロ、前線にフランチェスコ・トッティを擁していた。すでに全盛期は過ぎていたが、アレッサンドロ・デル・ピエロ、フィリッポ・インザーギなどのレジェンドも切り札だった。
残念ながら、今回のEUROイタリア代表は、決定的に人材が枯渇していた。ドンナルンマ、カラフィオーリの二人はすばらしかったが、他は厳しかった。ニコロ・バレッラ、フェデリコ・キエーザはグッドプレーヤーだが、その域を出なかったし、なぜかジョルジーニョはスイス戦に出場していない。
彼らの落日は悲しいが、必然と言える。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
【記事】「もうボッコボコに言われて」鎌田大地、伊メディアの“手のひら返し”批判に言及「試合に出て『コイツすごい』となって、退団でまたボッコボコ」
【PHOTO】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの厳選ショットを一挙お届け!
そこまでワルになれるのが、イタリアの勝ち方で、そこは徹底していたと言えるだろう。
その点で、今回のイタリアの選手たちも、勝利に対する執着心は感じさせていた。クロアチア戦でのアディショナルタイムの劇的な得点は、その象徴だろう。彼らは最後の最後まで勝利を信じていた。
ただ、2006年に世界王者になったイタリアは、そこから先に勝ち進めるだけのタレントがいた。ファビオ・カンナバーロ、アレッサンドロ・ネスタがセンターバックを組み、中盤にはアンドレア・ピルロ、前線にフランチェスコ・トッティを擁していた。すでに全盛期は過ぎていたが、アレッサンドロ・デル・ピエロ、フィリッポ・インザーギなどのレジェンドも切り札だった。
残念ながら、今回のEUROイタリア代表は、決定的に人材が枯渇していた。ドンナルンマ、カラフィオーリの二人はすばらしかったが、他は厳しかった。ニコロ・バレッラ、フェデリコ・キエーザはグッドプレーヤーだが、その域を出なかったし、なぜかジョルジーニョはスイス戦に出場していない。
彼らの落日は悲しいが、必然と言える。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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