強烈なライバル関係にあるパレスとブライトン。“M23ダービー”で鎌田と三笘の日本人対決が実現か。英国人記者が見た「いかに嫌いなのかが伝わってきた」光景とは?【現地発】
カテゴリ:海外日本人
2024年07月04日
地元ダービーでの日本人対決はプレミア初
ラツィオに所属していた鎌田大地のクリスタル・パレス移籍が決まった。
プレミアリーグでプレーする日本人選手はこれまでにも何人かいたが、地元のダービーマッチでの日本人対決は過去になかったはずだ。しかし今回、パレスに加入した鎌田とブライトンでプレーする三笘薫の2人がそれを実現させようとしている。
パレスとブライトンのダービーは、マンチェスターやマージーサイド、ノースロンドンのダービーほど世界的に有名ではないかもしれないが、イングランドのサッカーファンには、両クラブのファンの間に小さくない敵意があることで知られている。
この2チームの対戦は“M23ダービー”あるいは“A23ダービー”として知られており、ロンドンとブライトンを結ぶ高速道路にちなんで名付けられた。このライバル関係は、1970年から80年代にかけて両チームの間で行なわれた物議を醸す試合に遡り、その対立は現在も続いている。
近年のプレミアでは、観客同士のトラブルはあまりない。これは、警備が非常にしっかりしており、クラブがトラブル対策に投資しなければならないからだ。また、CCTVのおかげで、フーリガンも特定できるようになった。それでも、群衆のトラブルが発生した際、それがパレス対ブライトンの試合だったという話は珍しくない。両クラブの試合のキックオフ時間は、トラブルのリスクを減らすために非常に慎重に決められている。
【動画】鎌田がアニメで登場!パレスが公開したウェルカムムービー
プレミアリーグでプレーする日本人選手はこれまでにも何人かいたが、地元のダービーマッチでの日本人対決は過去になかったはずだ。しかし今回、パレスに加入した鎌田とブライトンでプレーする三笘薫の2人がそれを実現させようとしている。
パレスとブライトンのダービーは、マンチェスターやマージーサイド、ノースロンドンのダービーほど世界的に有名ではないかもしれないが、イングランドのサッカーファンには、両クラブのファンの間に小さくない敵意があることで知られている。
この2チームの対戦は“M23ダービー”あるいは“A23ダービー”として知られており、ロンドンとブライトンを結ぶ高速道路にちなんで名付けられた。このライバル関係は、1970年から80年代にかけて両チームの間で行なわれた物議を醸す試合に遡り、その対立は現在も続いている。
近年のプレミアでは、観客同士のトラブルはあまりない。これは、警備が非常にしっかりしており、クラブがトラブル対策に投資しなければならないからだ。また、CCTVのおかげで、フーリガンも特定できるようになった。それでも、群衆のトラブルが発生した際、それがパレス対ブライトンの試合だったという話は珍しくない。両クラブの試合のキックオフ時間は、トラブルのリスクを減らすために非常に慎重に決められている。
【動画】鎌田がアニメで登場!パレスが公開したウェルカムムービー
両クラブの本拠地は43マイル(約70km)も離れているのだから、ライバル関係を築くには遠すぎると思うだろうが、単に距離の問題ではない。
例年、両チームは同じような成績を残しているため、互いの順位に関わる重要な試合で頻繁に対戦していることも起因していると思う。昇格争いや残留争いは、トップリーグで優勝することよりもはるかにストレスがかかる。彼らの未来が懸かっているのだから。これがファン同士の緊張を生んだ。
昨シーズンの初め頃、私はブライトンのアウェーでのマンチェスター・ユナイテッド戦を取材に行く際に、ロンドンからマンチェスターまで電車で移動していた。電車内はブライトンファンで満員になっていて、彼らはずっと歌っていた。しかし、彼らはブライトンやユナイテッドについて歌うのではなく、パレスに対する嫌悪感を歌にしていたのだ。その光景を見て、いかにパレスが嫌いなのかが伝わってきた。
三笘はすでにこのM23ダービーに出場した経験があるが、もちろん鎌田にとっては初めてだ。ぜひこの日本人対決に注目してほしい。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。
【記事】なでしこジャパンでパリ五輪代表・清家貴子の新天地がブライトンに決定。三笘薫と何かしらの共演はあるか
例年、両チームは同じような成績を残しているため、互いの順位に関わる重要な試合で頻繁に対戦していることも起因していると思う。昇格争いや残留争いは、トップリーグで優勝することよりもはるかにストレスがかかる。彼らの未来が懸かっているのだから。これがファン同士の緊張を生んだ。
昨シーズンの初め頃、私はブライトンのアウェーでのマンチェスター・ユナイテッド戦を取材に行く際に、ロンドンからマンチェスターまで電車で移動していた。電車内はブライトンファンで満員になっていて、彼らはずっと歌っていた。しかし、彼らはブライトンやユナイテッドについて歌うのではなく、パレスに対する嫌悪感を歌にしていたのだ。その光景を見て、いかにパレスが嫌いなのかが伝わってきた。
三笘はすでにこのM23ダービーに出場した経験があるが、もちろん鎌田にとっては初めてだ。ぜひこの日本人対決に注目してほしい。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。
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