ヒーローが歴史的偉業に酔いしれた。

　イタリアの雄アタランタは現地時間５月22日、ヨーロッパリーグの決勝で、今季の公式戦51試合無敗でブンデスリーガを制したレバークーゼンと対戦。下馬評はそれほど高くはなかったなか、３－０で完勝し、見事に初制覇を果たした。

　抜群の得点力で全ゴールを叩き出したのが、アデモラ・ルックマンだ。まずは12分に神出鬼没な飛び出しで先制点を挙げると、26分には鮮烈なミドルシュートで追加点を奪取。そして仕上げは75分、カウンターから再び強烈なシュートを突き刺し、大舞台でのハットトリックを完成させた。

　欧州サッカー連盟の公式サイトによれば、文句なしの活躍でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出されたルックマンは、試合後にインタビューに対応。喜びを爆発させた。

「人生で最高の夜のひとつだ。チームの素晴らしいパフォーマンスだった。僕らはやってのけたんだ。ファンタスティックだ。優勝できて本当に嬉しい。僕らは今夜、歴史を作った」
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　26歳のナイジェリア代表FWは、レンタル移籍を繰り返す難しい時期を経て、昨季にアタランタに加入。すると、セリエAで13ゴールとキャリアハイの成績を残した。

　ブレイクには、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の存在が欠かせなかったようだ。

「この２年間、クラブと監督は、出場時間を与えてくれたり、クラブ内部からサポートしてくれた。そのおかげで、自分のプレーを全く新しいレベルに引き上げられた。感謝しているよ。僕たちは歴史を作り、ベルガモにタイトルを持ち帰る。

（ガスペリーニ監督の）最大のクオリティ？ 激しさかな。トレーニングや会話から、彼が自分に何を期待しているのか理解できる。最初の会話でフットボールの見方が一変したよ。物事をシンプルにしてくれた。自分のプレーを違った角度から見られたんだ。彼にはとても感謝している」

　難敵レバークーゼンに関しては「トップチームだ。今夜まで無敗だった。彼らが今年やってきたことに大きな敬意を抱いている」と語ったルックマンは、自身の今後にも言及。さらなる進化を約束した。

「僕は常に自分の創造する能力、得点、チームメイトのサポートに自信を持ってきた。この２年間で、レベルアップできた。もしかしたら、もっと早く実現できたかもしれない。でもこうして今、実現した。これは始まりに過ぎない。今日のような夜をもっと増やして、どんどん良くなっていきたい」

　イタリアで一皮も二皮も剥けた、ロンドン生まれの苦労人に大注目だ。ちなみに今季のセリエAでの得点数は９。残り２試合で昨季に続いて二桁に到達できるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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