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主力選手の移籍、スタッフの入れ替え...変革の指揮8年目で鬼木達監督は川崎をどう導くのか

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2024年01月13日

どんな時もポジティブな要素を探して

リーグの覇権奪回を目指す川崎をどう指揮するのか。悲願のACL制覇も見据える。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 1月12日、鬼木達監督にとっては川崎を率いる8年目のシーズンがいよいよ始動した。

 昨季は年末に天皇杯を見事に制し、シーズンをまたぐACLのグループリーグを無敗で勝ち抜いたものの、覇権奪回を目標としたリーグ戦は8位。予想以上の苦戦を強いられた。

 そんな2023年を経て、チームは“激動のオフ”を迎えることにもなった。山本悠樹、三浦颯太ら即戦力を加えた一方、登里享平、山根視来、山村和也らこれまでチームを支えてきた選手たちの移籍が発表されたのだ。

 さらにコーチングスタッフも大幅に入れ替え、寺田周平コーチ、篠田洋介フィジカルコーチ、高桑大二朗GKコーチらに代わり、村田達哉コーチ、狩野健太コーチ、石野智顕GKコーチ、石井孝典フィジカルコーチが入閣。

 もっとも多くの変革を行ないながら迎える2024年へ、鬼木監督のどんな時もポジティブな面を見い出そうとする姿勢になんら変わりはない。

「選手、スタッフも変わったなかで、何かのチャレンジというより人が変わった時の刺激が当然あるので、そこには期待しています。入ってきた選手、スタッフだけでなく、既存の選手であっても、いろんな意味で自分を変えられるタイミングであったり、変えたいと思っている人はどんどん変わっていってほしいと思います。それは自分自身もそうですね。

 自分自身もスタッフが入れ替わる時は刺激になりますし、これまでタイトルをいくつか取ってきていますが、それが正しいなんて思っていないですし、逆にフロンターレで普通だと思っていたことが普通じゃないことがよくあるので、そういう意味では刺激をもらえるところもあります。

 どんな時でも、怪我人が出た時でも、選手、スタッフが抜けた時の考え方としては、また新しい人が出てくるであろうという期待が一番ありますし、いろんなところで自分から変化を起こさずとも、自然と起きる時もあります。ネガティブに捉えずにポジティブに捉えてやってきているところもありますし、選手、スタッフも感じてやってきてくれているのでその姿勢は変わらないかなと思います」

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 一方で、昨年末の天皇杯決勝のスタメンから半数の5人がチームを離れた事実も鑑みなくてはいけないとも話す。2月13日にはリーグ開幕に先立ってACLラウンド16の第1戦がアウェーの中国で待っている。準備時間は限られているのだ。そのなかでベースアップと進化、そのバランス取りが求められる。

「土台はある意味、長年やっていた選手、天皇杯の最後でスタートで出ていた選手の半分がいなくなっているので、その土台の部分は分かっているようで分かっていないという風になる可能性があるので、もう一回、しっかり短い期間で全員で共有していかなくてはいけないかなと思っています」

 そのなかで見つめるのが川崎の“良さ”でもある。

「(川崎は)技術で差をつけて勝ってきたはずなので、そこはもう一度、取り組まなくてはいけないですし、新しい選手にも分かってもらわないといけないです。逆にやってきた選手もなんとなくこれくらいでとなってしまったら、この期間がもったいないので、そこのせめぎ合いかなと思います。

 ただ(2月)13日に間に合わせなくてはいけないという面もあります。システム的なところは最後、人を見てみないと分からないなと思っていますが、少しでも何かしら新しいという表現が相応しいか分からないですが、今まで以上に流動性だったり、モビリティが出るようなものができれば良いなと思っています」

 そして昨年に続いて求められる若い力の育成に関しては、鬼木監督らしい言葉も残してくれた。

「育成となると現場の人間としては、人を使うか使わないかになってくると思うのですが、やっぱりクラブ全体で取り組むことが重要なんだろうなと思っています。教育っていうわけではないですが、いろんな人がいろんな形で関わっていく中で、彼らの価値というかそういうものを高めたり、意識を高めたりできると思うので、改めて育成というのは大変なんだなとは思っています。

 ただ周りの人との協力で、彼らの成長を促せるところもあれば、意識を高めなくてはいけないところもできるだろうし、そのあたりはクラブとして、現場の自分としてやっていかなくてはいけないかなと思います」

 そして新卒選手らだけでなく、20代前半の選手のさらなる進化にも期待する。

「(橘田)健人や(佐々木)旭、(山田)新らの年代の選手たちたちも、ゲームに出ながら自分のパフォーマンスとチームへの貢献をどうやったら良いのか、そのあたりの気持ちのバランスが難しかったと思います。でも最後、健人ではないですが、しっかりいろんなことに気付けば、いろんな役職もありますが、自分のやるべきことをやったら、やっぱりそういう背中をどんどん周りも見てくれますし、改めて自分というものを意識させることは大事だとも感じています」

 海外移籍の増加など取り巻く環境が年々変わっているなかで、Jリーグでは珍しくなった長期政権で、鬼木監督は改めてどんなサッカーを見せてくれるのか。そしてクラブはこの指揮官とともにどんな指針を示していくのか。2024年は川崎にとって大事な1年になりそうだ。

 ちなみに鬼木監督、村田コーチ、戸田コーチの3人はS級ライセンスの同期。考えを共有し合っているトライアングルでの指導法にも注目である。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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