中国の杭州で行なわれているアジア競技大会で、現地６日にサッカー女子の決勝戦が開催。大会連覇を狙う日本が北朝鮮を４－１で下し、金メダルを獲得した。

　歓喜にわく日本とは対照的に、敗れた北朝鮮は落胆の色を隠せなかったようだ。韓国通信社『聯合ニュース』は、「試合終了後、疲れていても“ホームチームの雰囲気”を醸し出した応援団への挨拶は忘れなかったが、表彰式で選手たちは終始暗い表情だった」という。

　銀メダルを首にかけても、表情は晴れないまま。同メディアは表彰式後の様子も伝える。

「ミックスゾーンを通る時もそうだった。取材陣を避けるように、本来の通路ではなくミックスゾーンの壁の後ろを通って出口に出る北朝鮮の選手たちに向かって、韓国はもちろん、相手国である日本の取材陣も試合の感想などを求めたが、選手も関係者も無言だった。

　選手たちが全員退場すると、大会ボランティアの一団が後を追いかけて、バスに乗る選手たちの姿を取材陣から見えないように囲むという珍しい光景も見られた」
【動画】日本女子が大会連覇！ ４－１完勝、北朝鮮戦ハイライト

　韓国メディア『マイデイリー』も「選手たちは静かにミックスゾーンを出て行った。そのままバスに乗り込み、残りのコーチングスタッフの合流を待った」と報じ、こう続けた。

「その過程で、北朝鮮のリ・ユイル監督とコーチングスタッフと思われる人物が、バスの外で真剣な話をするような姿があった。

　会話を聞いてみると、ゴールキーパーの話だった。ゴールキーパーコーチと思われる当該スタッフは、『３回目の失点シーンで姿勢が崩れた』『本人は最善を尽くしたと言った』というような話をリ・ユイル監督にしていた」

　北朝鮮のゴールマウスを守ったキム・ウンヒは、日本戦で４失点目を喫した直後の74分に途中交代。試合後の会見で、指揮官は「得点チャンスをたくさん作った。だが守備が良くなかったし、門番（ゴールキーパー）でも問題が発生した」とコメントしている。

　失点の状況に思うところがあったのだろうか。バスの前でリ・ユイル監督とスタッフの話は、深刻な雰囲気のなかで長い時間、続いていたという。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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