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新世界女王スペインのビルダ監督が電撃解任! 選手たちとの信頼関係が瓦解したうえに“キス騒動”の余波も影響か

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2023年09月06日

15選手にクーデターを起こされるも会長の庇護を得て…

世界中から非難を浴びるルビアレス会長(左)と今回解任が発表されたビルダ監督(右)。女子W杯制覇の歓喜から2週間、蜜月関係に終止符が打たれた。(C)Getty Images

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 現地9月5日、スペインサッカー連盟(RFEF)は同国女子サッカー代表のホルヘ・ビルダ監督を解任したと発表。悲願の女子ワールドカップ初制覇からおよそ2週間、世界一に導いた指揮官がクビを切られるという異例の事態となった。
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 もちろん、目下スペインサッカー界で物議を醸している“キス騒動”とも無関係ではないだろう。オーストラリアとニュージーランド共催の女子ワールドカップの決勝後、セレモニーでRFEFのルイス・ルビアレス会長が代表チームのFWであるジェニファー・エルモソの頭を両手で押さえつけ、唇にキスをした一件だ。

 ルビアレス会長が「同意の上だった」と主張すると、エルモソはこれを真っ向から否定。不適切なセクハラおよび性暴力行為だと糾弾され、代表スタッフや81名の国内女子選手が辞任を求めて招集を拒否すると強硬姿勢に出た。スペイン政府も辞任を要求するなど騒動は拡大の一途を辿ったが、ルビアレス氏は頑なに辞任を拒否。ついには国際サッカー連盟(FIFA)が乗り出し、90日間の職務停止を言い渡すに至ったのである。

 英公共放送『BBC』によると、現在暫定会長を務めているペドロ・ロシャ氏がさっそく本格的な改革に乗り出した結果だという。今回のビルダ監督の解任については明確な理由は述べられておらず、むしろ功績を称える声明を発表しているが、「最初の刷新措置のひとつであり、RFEFは先週からルビアレスの盟友とされる42歳のビルダを解任できるかどうかを探っていた」と伝えている。

 ビルダ監督は今大会中も選手たちとの不仲が取り沙汰されるなど、文字通りのトラブル続きだった。

 スペインのU-17やU-19女子代表での指導を経て、2015年から女子A代表の指揮を執ってきたビルダ監督。就任直後にさっそく国際大会でチームを優勝に導くなど辣腕を振るったが、選手たちとの信頼関係は上手く構築できなかった。2019年まで、年長の代表選手たちはホテルの部屋の鍵を閉めてはいけないと指示されたという。ビルダ監督が部屋やコンディションをチェックして初めて、施錠が許された。監督と特定の選手たちとの親密な関係も疑問視され、ビルダ氏の実父がスペインサッカー連盟女子部門のトップであることも何かと反感を買った。

 2022年7月、そんな選手たちの不満がついに爆発する。EURO2022の準々決勝でイングランドに1-2で敗れた試合後、ベテラン選手たちを中心にビルダ監督の戦術やトレーニング、対戦相手のスカウティングなどがすべて不十分であると主張し、解任を求めたのだ。選手たちはルビアレス会長に直談判したものの、会長はビルダ政権の支持を明言して事態をあっさりと収束させてしまう。

 2か月後の9月、代表メンバー発表を前に、今度は15人の代表メンバーが連盟宛にメールを送り、「メンタルヘルスの観点から、私たちはビルダ氏が監督である以上、今後招集は受けられない」とストライキに打って出る。だがこのアクションに対しても連盟側は「深刻な違反行為だ」と非難して突っぱねた。ルビアレス会長とビルダ監督の蜜月関係は盤石なものだったのだ。

 前代未聞の反乱を経て、ビルダ監督がどのような23名をワールドカップのメンバーに選出するのかが注目された。結果、クーデターを起こした15名から選ばれたのは3名のみ。選考外となった12名にはバルセロナのマピ・レオン、パトリ・ギジャーロ、クラウディア・ピナ、そしてアトレティコ・マドリーのGKローラ・ゴジャルドらが含まれていた。とりわけレオンとギジャーロの欠場は、本来ならば戦力的に大きな痛手となったはずだが、チームはそんな逆境と下馬評をはねのけて、本大会で快進撃を続けたのである。
 
 ビルダ監督は今回のルビアレス会長の破廉恥な振る舞いに対して、当初は批判的な意見を口にしていたが、同会長が臨時理事会で辞任拒否を宣言した際は拍手を送っている。RFEFはあくまで両者の長きに渡る親密な関係を問題視。ルビアレス体制の解体を主とした抜本的な改革を実現させるため、“ビルダ斬り”は避けられないタスクだったと見られる。

 後任には、ビルダ政権でコーチを務めたモンツェ・トーメ氏が昇格。ロシャ暫定会長は「彼女はロッカールームを熟知しており、優秀なアンダー世代についても幅広い知識を持っている」と太鼓判を押す。スペイン女子代表チーム史上初となる女性指揮官が誕生した。

 新世界女王はゴタゴタを乗り越えて良いリスタートを切れるのか。今月22日にスウェーデンと、26日にはスイスとの親善試合が予定されている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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