ロベルト・マンチーニがイタリア代表監督の座を辞したとの知らせは、世界を驚かせた。明確な理由は分かっていない。ただ、少なくとも本人の言葉からは、連盟会長との関係悪化がうかがえる。

　辞任を受け、一部の国内メディアは、イタリアサッカー連盟のガブリエレ・グラビーナ会長との確執を報じた。イタリア代表は先日、マンチーニのスタッフだった４名のうち３名が役職を解かれた。１名は退任し、２名は異なる職責を与えられている。この人事にマンチーニが不満と伝えられていた。

　一方で、マンチーニはサウジアラビア代表監督就任の可能性も噂されている。そのため、巨額サラリーという好待遇のために、EURO予選まで１か月を切っているなかで母国の代表監督の座を捨てたとの批判の声も寄せられた。

　辞任の正式発表後、マンチーニはSNSで「私の個人的な選択」とコメントしていた。だが、イタリア衛星放送『Sky Sport』によると、15日付『Repubblica』紙のインタビューで心境を明かしている。

　Sky Sportの抜粋によれば、マンチーニは「このようにめった打ちにされるようなことは何もしていない。ただ辞任し、私の選択だったと言っただけだ」と話した。

「決断の全責任を負う。隠れはしなかった。グラビーナ会長と話し、理由を説明しようとした。誰のことも非難しなかったが、自分が非難されたんだ。タイミング？　次の試合まで25日だ。３日じゃない。この数年、私は常に正しかったと思う。会長と何度も話そうとした。この数か月で、自分を穏やかにさせてくれと説明した。彼はそれをしなかった。それで辞めたんだ」

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　マンチーニは「連盟会長が代表監督のスタッフを代えるなんて見たことがあるか？　グラビーナは１年前から変えたがった。私はできないと伝えていた。せいぜい新しく２人ほど加えるだけで、うまくいっていてEURO優勝も達成したグループを欠くことはできないと。むしろスタッフを変えるとしたら私の役割だったはずだ」と述べている。

「少し前から彼は私と逆の考え方だった。だったらなぜ、スタッフに手を入れた？　私を追い出すべきだったんだ。だが彼は機会をつかんだ。一部のスタッフは契約満了を迎えるところだった。それを生かしたんだよ」

「グラビーナが望んでいたら、私を引き留めていたはずだ。彼はそれをしなかった。私にはひとつのシグナルで十分だったんだ。彼はそれを出さなかった。私がとどまることを望まなかった。もう数カ月前からこういう状況だったんだよ」

　マンチーニはイタリア代表監督が「人生で最も重要な仕事」だったと表現。「（カタールW杯予選敗退後に）去ろうと思ったが、続けるよう頼まれた」と明かし、「素晴らしい５年間だった。EUROは最高の思い出だ」と語った。

　サウジアラビア行きも注目されるが、今後については「今は何も考えたくない」と答えている。

　インタビューを受け、グラビーナ会長はメッセージを発するのか。イタリア代表とマンチーニの今後とともに注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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