クリスティアーノ・ロナウドに続き、カリム・ベンゼマ、エヌゴロ・カンテ、ロベルト・フィルミーニョら大物選手が続々と参戦してるのがサウジアラビアリーグだ。

　そのサウジアラビアの強豪アル・ヒラルは先日、レアル・ソシエダの久保建英に対し、４年で年俸総額１億6000万ユーロ（約248億円）というメガオファーを出したとスペインの大手紙『AS』などが報じた。

　だが、ソシエダでのプレー、チャンピオンズリーグへの出場、今後のキャリアなどを優先し、オファーを拒絶したという。

　この決断を「矛盾している」と指摘したのが、スペイン・カタルーニャ地方のメディア『X Catalunya.cat』だ。「クボが拒否したサウジアラビアリーグからの目もくらむようなオファー」と題した記事で、こう伝えている。

「昨シーズンにマドリーは多くの怪我人を出したことから、タケ・クボがレアル・マドリーの獲得候補に挙がった。しかし、この日本人は選手として成長し続ける点だけを念頭に置いているため、マドリーを拒否し、サウジアラビアからの１億6000万ユーロの契約も辞退した」

【動画】「風格」の声！私服でソシエダの練習場に登場し、ポーズを取る久保

　記事は「クボの矛盾した決断。彼がバルセロナの下部組織出身であると覚えておくのが重要である」と綴り、こう続けている。

「カタルーニャのクラブ（バルサ）は、彼にシーズン当たり100万ユーロを支払うのを望まなかった。年俸50万ユーロの契約と、トップチームでの出場時間が保証されるスポーツ的なプロジェクトをオファーした。にもかかわらず、タケはその申し出を受け入れず、彼の要求を満たす経済的契約を求めて、最大のライバル（マドリー）と交渉した」

　同メディアは「ここから、レアル・マドリーで４年間のキャリアを失う結果になるサッカーの旅が始まった（久保がマドリーでレンタル生活を送ったのは実際には３年間）。日本代表選手はどのチームにも定着できず、大幅な年俸アップも得られていない」と報じ、こう続けている。

「この選手はなんとか１部で多くの経験を積めたが、振り返ってみれば、大きな契約を探す前にバルセロナのオファーを受け入れてプロとして成長するのが最良の決断だったというのが真実だ」

「タケ・クボは失敗から学び、シーズンあたり4000万ユーロを拒否した」

　バルサのカンテラに所属していた久保は、18歳未満の選手獲得を禁じたFIFAのルールに違反したバルサに科された制裁のために公式戦へ出場できなくなり、日本に帰国。FC東京でキャリアを歩んだ。そして晴れて18歳になった19年６月、契約を結んだのは古巣ではなく、その宿敵であるマドリーだった。

　バルサ寄りのカターニャのメディアは、「その時は待遇の良いほうを選んだのに、サウジのオファーを蹴ったのは矛盾している。だが、失敗から学んだのだろう」と言いたいようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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