［J１第21節］横浜 ０－１ 川崎／７月15日／日産スタジアム

「皆さんが一番望むであろう結果を届けられなかったのは、本当に申し訳なく思っています」

　７月15日、J１第21節で川崎フロンターレと対戦した横浜F・マリノスは、後半アディショナルタイムに失点し、０－１で敗れた。試合後、主将の喜田拓也は唇を噛みしめながらそう語った。

　互いにインテンシティの高い攻防を繰り広げるなか、前半は横浜が優勢に試合を進めた。ケヴィン・マスカット監督が「決め切れなかった」と悔やんだが、エウベル、ヤン・マテウスの両ウイングが持ち味のスピードを活かしてサイドを崩し、何度か決定機も作った。

　しかし、後半は攻勢を強める川崎に押し込まれる時間が増え、終了間際に一瞬の隙を突かれて車屋紳太郎にゴールを奪われた。

　もっとも、横浜にはアクシデントもあった。脳震盪の疑いで右SB松原健が前半のみで退き、CBで先発していた上島拓巳が代役を務める。また、83分に足がつって交代した左SB永戸勝也の代わりは、ボランチの喜田が担った。

　複数の選手が本職ではないポジションでプレーしていただけに、勝点１でも欲しかったところだが、痛い敗戦となった。
【PHOTO】横浜の出場17選手＆監督の採点・寸評。渡辺は攻守に存在感。A・ロペスは80分の好機で決めていれば...

　喜田は「押し込めていた時間もありましたし、自分たちの思い通りに進めていた時間もありましたが、アクシデントが多少続き、チームをコントロールしきれない部分があった」と反省の言葉を口にする。

　また、左SBに入った経緯については、「本職の選手もいなかったですし、自分がどこをやりたいとか、できる、できないの次元の話ではないので、自分はいつもチームのためになりたいと言っていますけど、そのことしか頭になかったので、自分がやるべきだと思いました。勝つための決断は試合中に必要なので、自分が決断しました」と明かした。
　
　試合後、ファン・サポーターは選手たちを後押しするためのブーイングとチャントを送った。喜田は「最後のブーイングの意味も、そのあとのチャントの意味も、自分たちには伝わっています」としつつ、こう続けた。

「本当に悔しい結果ではありますけど、チャンスも作れず、手も足も出なかった敗戦ではなかったと思う。結果がすべての世界というのは重々承知していますけど、感情的になって、それだけになってしまうのは逆にチームの成長を止めてしまう。

　できたところ、できなかったところを冷静に見る必要がありますし、選手がそれをやるのは結果を出すためなので、そこは間違えないようにチームで成長していくべきです。

　自分たちが望むものは、そう簡単に手に入ると思っていないので、力強く乗り越えてやるというチームの気持ちもすごく大事になってくる。良い（中断）期間があるので、成長してまたJリーグに帰ってきたい」

　３日前の天皇杯３回戦のFC町田ゼルビア戦に続き、これで公式戦は２連敗となったが、トリコロールのキャプテンは、「絶対にこれで下を向くことはないし、バラバラになることはないって言い切れる自信がある。苦しい時こそ自分がチームを引っ張っていけるように頑張りたいです」と前を向いた。

取材・文●金子徹（サッカーダイジェスト編集部）

「ボンバーのレベルじゃない」元マリノス栗原勇蔵が“１対１最強”に挙げる助っ人DFは？「大然とかより速い」

【PHOTO】日産スタジアムに駆け付け最後まで後押しし続けた横浜F・マリノスサポーターを特集！

【厳選フォト】まさにスタジアムの華！ピッチに感動と一体感を生み出すトリコロールマーメイズ