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【高校選手権】青森山田 2(5PK4)2 桐光学園|インパクトと悔いを残して…最強3トップ「IOK」の挑戦は終わった

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2016年01月03日

ダメ押し点となるはずのPKを外して、暗雲が立ち込めてきた。

2試合で4ゴールを決めた小川だが、この試合ではPKに泣かされた。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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テクニックで見せたイサカ。 写真:早草紀子

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 圧巻の3トップだった。
 
 桐光学園が誇る最強3トップの「IOK」が、容赦なく青森山田ゴールに襲いかかった。
 
 左からイサカ・ゼイン、小川航基、桑原孝太郎が並ぶ3トップ。どうしてもU-18日本代表でジュビロ磐田入団内定の小川に注目が集まるが、ずば抜けた身体能力を誇るイサカ、鋭いドリブル突破が得意の桑原孝のコンビネーションは、全国トップレベルの破壊力を持っている。
 
「僕ら3人で崩して、ゴールを決める。バルセロナの「MSN」(メッシ、スアレス、ネイマール)を参考にしていて、あの3人のようにもっとコンビネーションで崩していけるようにしたい」と、大会前に小川が語った。
 
 またイサカは、「小川だけじゃないというのを印象づけたい。スアレスのように個でもいける、コンビネーションでもいけるようなプレーをしたい」。「MSN」ならぬ「IOK」で全国を驚かせようと、モチベーションは高かった。
 
 初戦の長崎南山戦で早速、その力を示した。
 
 この試合、スタメンは桑原孝ではなく、期待の2年生・西川公基だったが、パスを出せる西川をイサカと小川がうまく組み込んで、49分に小川が先制弾を入れると、51分、西川に代わって桑原孝が投入される。一気に畳み掛けにいくと、53分にイサカが決め、71分にはイサカの突破から得たPKを小川が決め、3−0で勝利した。
 
 そして青森山田戦。「IOK」がスタメンに顔を揃えると、立ち上がりからその破壊力を見せつける。
 
 中央の小川を起点に、イサカと桑原孝をワイドに開かせ、トップ下の鳥海芳樹を自在に飛び出させ、連動性ある攻撃を披露。鳥海を経由して、青森山田のペナルティーエリアに侵入して、チャンスを作った。
 
 しかし青森山田のCB常田克人、左SBの北城俊幸らが、要所で質の高いタックルや寄せを見せて踏ん張る。
 
 すると、今度はイサカと桑原孝がドリブルでの突破を試みる。イサカが強烈なドリブルシュートを放った後、32分には中央でドリブルを仕掛けた鳥海が、右外を回り込んできた小川にスルーパス。小川が豪快に対角線上のゴール左サイドネットに突き刺し、桐光学園が先制に成功した。
 
 さらに後半開始早々の43分には、右サイドでイサカがドリブルを仕掛けると、ペナルティーエリア内で急停止し、DFを振り切る。そしてファーサイドに飛び込んだ小川にライナーのセンタリング。小川のドンピシャヘッドがゴールに突き刺さり、追加点を奪った。
 
 47分には、イサカがルーレットターンで2人をかわして観客をどよめかすと、57分には鳥海からのパスを受けた桑原孝がドリブル突破から、イサカへラストパス。イサカのシュートは枠を外れたが、3トップの躍動が試合を盛り上げた。
 
 しかし、58分に小川が自ら獲得したPKをバーの上に外すと、徐々に暗雲が立ちこめて来た。
 
 60分に桑原孝が小川のスルーパスに抜け出すが、シュートはDFにブロックされる。61分にはクサビを受けた小川の反転パスに桑原孝が飛び出すが、シュートはバーの上。67分のボランチ・桑原遥のシュートはバーを叩き、73分のイサカのスルーパスから抜け出した途中出場の西川のシュートは、GKにブロックされた。
 
 破壊力を見せながらも、3点目が奪えない。この代償は大きかった。後半アディショナルタイムにセットプレー2本で同点に追いつかれると、PK戦では小川が止められ、敗戦という結果に終った。
 
「3トップで崩すと言っておきながら、やっぱり最後まで小川頼みだった。こういう時こそ、僕が決めないといけないのに……。本来なら僕がもっと頑張れば……、小川とともに『2大エース』と言われていなきゃいけなかった。でも、小川に依存していた部分はあったと思う」
 
 試合後、イサカは唇を噛み、小川に残酷な結果を突きつけてしまったことを悔やんだ。
 
 しかし、「IOK」の強力さはこの試合を通じて、十分に披露できた。敗れはしたが、彼らの存在感を証明するのに相応しい試合だったことを、ここに記しておきたい。

【選手権PHOTOハイライト】三ツ沢/3回戦 矢板中央×富山一|桐光学園×青森山田
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)

積極果敢にシュートを放った桑原孝だったが……。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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アディショナルタイムで青森山田が2ゴールを挙げるという劇的な展開で、試合は11メートルの戦いに持ち込まれた。 写真:早草紀子

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