［J１第18節］湘南 ０－６ 鳥栖／６月24日／レモンガススタジアム平塚

　サガン鳥栖は６月24日、J１第18節で湘南ベルマーレと対戦し、６－０と大勝を収めた。

　開始２分、小野裕二が左足を振り抜き、鳥栖が先制に成功。さらに30分、再び小野がゴール前の浮き球に反応し、見事なボレーシュートでネットを揺らす。

　２点リードで迎えた後半、49分に長沼洋一が獲得したPKを小野が決めてハットトリックを達成。さらに、63分に堀米勇輝、86分に藤原悠汰、90＋３分に樺山諒乃介が加点。開幕戦で湘南に１－５と大敗を喫した鬱憤を晴らすかのごとく、ゴールラッシュで勝点３を積み上げた。

　勝利の立役者となったのは、小野だ。圧巻の３ゴール。ハイパフォーマンスの要因を次のように語った。

「触るだけで点が取れる位置に入れていることです。タイミングやスピードも大事ですが、これまでは入らなければいけないのに入れていないことが多かった。今年はキャンプから意識して取り組んでいて、徐々に噛み合ってきています」
【厳選ショット】小野裕二がハットトリック！開幕戦大敗のリベンジを大勝で果たす！｜J１第18節 湘南０－６鳥栖

　以前、鳥栖の川井健太監督がチームの戦い方について、「究極、誰がピッチに立っていても、ゴール前にいれば『あとは触るだけ』というボールが来るようなサッカーを目ざしたいです。そこまで突き詰めたい」と言っていたことがある。

　今の小野は、指揮官の志向するサッカーを実現するための、理想的なFWに近づいていると言えるだろう。

　また、佐賀県から駆けつけた鳥栖サポーターへの熱い想いを、小野が明かした。

「得点を取れたことは嬉しいですし、何よりも僕らは開幕戦（湘南戦／１－５）で悔しい思いをしました。僕ら以上にサポーターの方々も、シーズンの初めに、ああいった試合を見せられて、落胆したと思います。それでもここまでどんな状況でもついてきて、応援してくれて、今日のように毎試合、来てくれています。そういった方たちが満足する試合を今日は見せられたと思いますし、こういった試合を増やしていきたいです」

　鳥栖でのハットトリック達成は、クラブのレジェンドである豊田陽平以来10年ぶり。シーズン二桁得点を記録した選手も、2016年の豊田以来、現われていない。

　キャリアハイ更新中の背番号10が好調を継続すれば、クラブ史に名を刻む選手となるかもしれない。

取材・文●岩澤凪冴（サッカーダイジェスト編集部）

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