1月3日、インターハイ決勝で敗れた東福岡と対戦。「勝つためには、自分が中盤でボールを奪えるかどうかがポイントになる」。
U-17日本代表CB杉岡大暉の渾身のヘディング弾、工藤友暉の技ありショット、そしてスタジアムを埋めた1万2353人の観衆を驚かせた工藤友暉のシュート性のFKに原輝綺が左足で合わせたトリックプレー――。3ゴールを奪った市立船橋が“ダークホース”と目された米子北に快勝を収めて3回戦に駒を進めた。
前線の創造性溢れるアタッカー陣、そしてゴール前で構築される鉄壁の3バックとウイングバック、その攻守を決して目立たないながらも黙々とつないでいたのが、ボランチであり主将の椎橋慧也だった。特にリスク管理が徹底していて、ほとんど相手にチャンスを作らせなかった。
米子北のカウンターの起点となりうるピンチの芽をことごとく摘み取り、ボールを奪えば攻撃に転じる。ショートパスとロングキックを瞬時に使い分けて、密集地帯をくぐり抜けて、前線へ良い形でボールを託す。市立船橋の浅岡隆蔵監督が「チーム全体としてバランスよくできた」と振り返った一戦、椎橋のプレーぶりについても「崩れずに、しっかり理解してやってくれた」と評価した。
椎橋本人も幸先良い勝利だったと振り返る。
「初戦はどうしてもみんな固くなってしまうので、入りが大事になる。相手がしっかり守ってくることは理解していた。それだけに、セットプレーで点が取れて良かった。(先制点の場面、周りに細かく指示を出していたのは)どこに誰が入るのか、どのようなタイミングで合わせるのか、僕らは緻密にやってきた。そこで『僕はここに行くから』と言ってマークを引き付けたら、フリーになった杉岡のゴールが決まった」
1月3日には東福岡と対戦する。夏のインターハイ決勝で、1-1からPK戦の末(5-6)に敗れている宿敵だ。4大会ぶりの優勝を狙う市立船橋にとって、前半戦の最大の山場をさっそく迎える。
「ボールを拾うところ、奪い返しにいくところは、持ち味なのでもっと出していきたい。東福岡には夏、負けているので借りを返したい。(その決勝での敗因は)自分たちの時間帯にボールを奪えなかったこと。あの時からチーム力は上がり、点を取る意識も高まった。リベンジの機会を欲しいと思っていたので、対戦できるのは嬉しい。勝つためには、自分が中盤でボールを奪えるかどうかがポイントになる」
卒業後はJ1仙台への加入が内定しているそのボランチの存在感は、02年から03年まで在籍したクラブOBの森保一(現・広島監督)を彷彿させる。仙台時代の森保は、「気付けばポイチがいる」――と言われ、危険なエリアを察知して埋め、ボールを確実に奪い取る職人的なプレーで、仙台を“J1仕様”のクラブに押し上げた。
杜の都のキーマンに成りうる椎橋。まず1月3日、運命の東福岡戦で、「気付けば椎橋がいた」と言われるような存在感を見せつけたい。
冷静沈着なボランチが、大一番に向けてこれまでになく心を熱く燃やしている。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
前線の創造性溢れるアタッカー陣、そしてゴール前で構築される鉄壁の3バックとウイングバック、その攻守を決して目立たないながらも黙々とつないでいたのが、ボランチであり主将の椎橋慧也だった。特にリスク管理が徹底していて、ほとんど相手にチャンスを作らせなかった。
米子北のカウンターの起点となりうるピンチの芽をことごとく摘み取り、ボールを奪えば攻撃に転じる。ショートパスとロングキックを瞬時に使い分けて、密集地帯をくぐり抜けて、前線へ良い形でボールを託す。市立船橋の浅岡隆蔵監督が「チーム全体としてバランスよくできた」と振り返った一戦、椎橋のプレーぶりについても「崩れずに、しっかり理解してやってくれた」と評価した。
椎橋本人も幸先良い勝利だったと振り返る。
「初戦はどうしてもみんな固くなってしまうので、入りが大事になる。相手がしっかり守ってくることは理解していた。それだけに、セットプレーで点が取れて良かった。(先制点の場面、周りに細かく指示を出していたのは)どこに誰が入るのか、どのようなタイミングで合わせるのか、僕らは緻密にやってきた。そこで『僕はここに行くから』と言ってマークを引き付けたら、フリーになった杉岡のゴールが決まった」
1月3日には東福岡と対戦する。夏のインターハイ決勝で、1-1からPK戦の末(5-6)に敗れている宿敵だ。4大会ぶりの優勝を狙う市立船橋にとって、前半戦の最大の山場をさっそく迎える。
「ボールを拾うところ、奪い返しにいくところは、持ち味なのでもっと出していきたい。東福岡には夏、負けているので借りを返したい。(その決勝での敗因は)自分たちの時間帯にボールを奪えなかったこと。あの時からチーム力は上がり、点を取る意識も高まった。リベンジの機会を欲しいと思っていたので、対戦できるのは嬉しい。勝つためには、自分が中盤でボールを奪えるかどうかがポイントになる」
卒業後はJ1仙台への加入が内定しているそのボランチの存在感は、02年から03年まで在籍したクラブOBの森保一(現・広島監督)を彷彿させる。仙台時代の森保は、「気付けばポイチがいる」――と言われ、危険なエリアを察知して埋め、ボールを確実に奪い取る職人的なプレーで、仙台を“J1仕様”のクラブに押し上げた。
杜の都のキーマンに成りうる椎橋。まず1月3日、運命の東福岡戦で、「気付けば椎橋がいた」と言われるような存在感を見せつけたい。
冷静沈着なボランチが、大一番に向けてこれまでになく心を熱く燃やしている。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)