湘南ベルマーレは６月18日、ルヴァンカップ第６節で川崎フロンターレと対戦した。

　試合は立ち上がりに湘南がペースを掴むと、６分に大橋祐紀の左足ショットで先制に成功。さらに59分にも大橋がヘディングで追加点を挙げ、試合を優位に進めた。

　しかし、63分にアウェーチームが３枚替えを敢行すると、流れが一転。73分に瀬古樹、88分に山田新、90＋４分に遠野大弥と、いずれも途中出場の選手がゴールを挙げ、試合をひっくり返す。

　終わってみれば、湘南は２－３で敗戦。ルヴァンカップのグループステージ突破をかけた一戦は、逆転負けという形で幕を閉じた。

　湘南は今節を終えて、（天皇杯を除く）公式戦13戦勝ち無し。トンネルの出口が見えない状況だが、２ゴールを挙げた大橋を含め、怪我明けの選手が上々のパフォーマンスを見せた点は、今後への希望となりえるだろう。

　特に輝きを放っていたのが、リベロで先発した山本脩斗だ。
 

　４月末のトレーニングで肉離れを負って離脱を余儀なくされていた山本が、川崎戦で待望の復帰。「２か月ぶりでしたが、試合を見ながら常にイメージをしていました。自分にしかできないプレーがあると思うので、自分の強みをチームのなかでどう活かすのかが大切です」と語った38歳は、まさにその通りの好プレーを発揮した。

　持ち前の足もとの技術でビルドアップの起点になれば、味方に声をかけながら最終ラインを的確にコントロール。高さで勝る川崎のレアンドロ・ダミアンに対しても、臆さず空中戦に挑み、幾度もボールを跳ね返した。

　とはいえ、結果は悔しいものとなってしまった。

「１点取られて、徐々に相手のゴール前での厚みが出てきました。そのなかで自分たちが若干引いてしまった部分があった。１枚誰を出すのかとか、ズルズル引くのではなく、相手にプレッシャーをかけるとか、課題は色々あります。できている部分もありますが、ひとつのミスで点を奪われてしまうので、突き詰めていきたいです」

　また、チームとして失点が続いている要因について問われると、次のように答えた。

「失点には必ず原因がありますが、特定の一部分だけを切り取っても、その前にも別の原因がある。ゴール前だけでなく、その前の作りやFWの守備も含めて、全体で考えなければいけません。チームとして突き詰めていかなければ勝てないので、続けていきたいです」

　湘南は次戦、６月24日にJ１第18節でサガン鳥栖と対戦する。山本が指摘する問題点を改善し、リーグ戦では４月１日のガンバ大阪戦以来の勝利を掴めるか。

　開幕戦のアウェーゲームでは５－１と圧勝した相手だけに、何としてでも勝点３を掴み、浮上への足掛かりにしたいところだ。

取材・文●岩澤凪冴（サッカーダイジェスト編集部）

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