「すごく責任を感じている」
[U-20W杯]日本 1-2 イスラエル/5月27日/メンドーサ・スタジアム
残り15分でまさかの2失点――。
「自分のミスから失点につながってしまったので……」
試合後、日本の背番号8は呆然とし、自身初の国際舞台で洗礼を浴びた。
現地時間5月27日、U-20ワールドカップのグループステージ(GS)第3節が行なわれ、U-20日本代表はU-20イスラエル代表に1-2で逆転負けを喫した。
勝利を挙げれば2位以上でGS突破が決まる。引き分けでも3位以上が確定し、他の組の結果を待たずにノックアウトステージ進出の権利を得られる状況だった。
試合の内容も過去2試合と比べて段違いに良く、立ち上がりは流れるようなパスワークから何度も決定機を作り出している。前半終了間際にFKの流れから坂本一彩が先制弾をゲット。ここまでの流れは完璧で、後半に入っても粘り強く相手の攻撃に対応していた。
残り15分でまさかの2失点――。
「自分のミスから失点につながってしまったので……」
試合後、日本の背番号8は呆然とし、自身初の国際舞台で洗礼を浴びた。
現地時間5月27日、U-20ワールドカップのグループステージ(GS)第3節が行なわれ、U-20日本代表はU-20イスラエル代表に1-2で逆転負けを喫した。
勝利を挙げれば2位以上でGS突破が決まる。引き分けでも3位以上が確定し、他の組の結果を待たずにノックアウトステージ進出の権利を得られる状況だった。
試合の内容も過去2試合と比べて段違いに良く、立ち上がりは流れるようなパスワークから何度も決定機を作り出している。前半終了間際にFKの流れから坂本一彩が先制弾をゲット。ここまでの流れは完璧で、後半に入っても粘り強く相手の攻撃に対応していた。
しかし――。試合の分水嶺になったのは68分のプレーだった。イスラエルのラン・ビンヤミンが2枚目の警告で退場処分に。日本は数的優位となり、より優位な状況に立ったかと思われた。
だが、ここから日本は押し込まれ、アドバンテージを活かせない。76分に失点し、90+1分には逆転ゴールを献上。最後の猛攻も実らず、まさかの逆転負け。何とか3位に滑り込んで28日のE組とF組の結果を待つ形になったが、現状では厳しい状況と言わざるを得ない。
試合後、ミックスゾーンに現われた佐野航大は言葉に詰まり、唇を噛んだ。
「すごく責任を感じている」
もちろん、予想外の幕切れに悔しさを滲ませていたのだが、1失点目のきっかけとなるFKを与えたプレーに関与したことが理由の1つ。そして、もう1つ、佐野が悔やんでいることがある。終盤の試合運びだ。うつむきながら、佐野は言葉を紡ぐ。
「良い時間帯に先制点を取ってくれたので、2点目を取りに行きたかった。だけど、引いた状態が多かったり、相手にボールを持たれる時間が多く、自分たちが(後ろに)引いてしまった」
「前に行った時は、しっかりもっとボールを保持しないといけなかった。逆にブロックを作るところが割り切ってできているのであれば、守れていたのかもしれない」
攻めるのか守るのか。1-1になった時点でどのような戦い方にすべきかがはっきりしなかった。11対11で戦っているのであれば、また状況は違ったのかもしれない。しかし、数的優位となれば、積極的に追加点を奪いに行っても不思議ではない。
「相手が10人というのもあったので、もっとシンプルに回して、相手を疲れさせて、というのをしていれば、良かったのかな……」
覆水盆に返らず。佐野の言葉からは後悔の念がひしひしと伝わってくる。
シビアな展開で相手も本気で勝ちに来ていた。そうした状況でもいかに平常心を持って戦えるかは、さらなる成長を果たすための課題だ。
数字上は3位でGS突破の可能性を残しており、もしラウンド16に進めたのであれば、この経験を活かすしかない。もし、敗退したとしてもサッカー人生がこれからも続いていく。辛酸を舐めたが、佐野にとってイスラエル戦の苦い記憶はきっと財産になるはずだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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だが、ここから日本は押し込まれ、アドバンテージを活かせない。76分に失点し、90+1分には逆転ゴールを献上。最後の猛攻も実らず、まさかの逆転負け。何とか3位に滑り込んで28日のE組とF組の結果を待つ形になったが、現状では厳しい状況と言わざるを得ない。
試合後、ミックスゾーンに現われた佐野航大は言葉に詰まり、唇を噛んだ。
「すごく責任を感じている」
もちろん、予想外の幕切れに悔しさを滲ませていたのだが、1失点目のきっかけとなるFKを与えたプレーに関与したことが理由の1つ。そして、もう1つ、佐野が悔やんでいることがある。終盤の試合運びだ。うつむきながら、佐野は言葉を紡ぐ。
「良い時間帯に先制点を取ってくれたので、2点目を取りに行きたかった。だけど、引いた状態が多かったり、相手にボールを持たれる時間が多く、自分たちが(後ろに)引いてしまった」
「前に行った時は、しっかりもっとボールを保持しないといけなかった。逆にブロックを作るところが割り切ってできているのであれば、守れていたのかもしれない」
攻めるのか守るのか。1-1になった時点でどのような戦い方にすべきかがはっきりしなかった。11対11で戦っているのであれば、また状況は違ったのかもしれない。しかし、数的優位となれば、積極的に追加点を奪いに行っても不思議ではない。
「相手が10人というのもあったので、もっとシンプルに回して、相手を疲れさせて、というのをしていれば、良かったのかな……」
覆水盆に返らず。佐野の言葉からは後悔の念がひしひしと伝わってくる。
シビアな展開で相手も本気で勝ちに来ていた。そうした状況でもいかに平常心を持って戦えるかは、さらなる成長を果たすための課題だ。
数字上は3位でGS突破の可能性を残しており、もしラウンド16に進めたのであれば、この経験を活かすしかない。もし、敗退したとしてもサッカー人生がこれからも続いていく。辛酸を舐めたが、佐野にとってイスラエル戦の苦い記憶はきっと財産になるはずだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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