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【クラブW杯】“傍観者”から“メインキャスト”へと変貌したメッシ。役者の違いを見せつける!

カテゴリ:メガクラブ

竹田 忍(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

2015年12月21日

高難度のプレーでチームに先制点をもたらした。

メッシは必死に食い止めようとするリーベルDFを軽々とかわし、先制ゴールを決めた。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 リオネル・メッシの立ち上がりは、いつものように静かだった。
 
 相手のシステムや守備陣形、味方の選手とそのマーカーの位置、プレスをかけてくるラインの高さ。メッシはこれらを、キックオフ後の数分間を使ってチェックする。いわゆる情報収集の時間だ。
 
 さらにこの日は、故郷のアルゼンチンから大挙して押し寄せたリーベル・サポーターの大声援を楽しむかのように、何度かスタンドを見上げる余裕も見せている。準決勝の広州恒大戦を腎結石により欠場したナンバー10は、いつものようにリラックスしていた。
 
 そのメッシが、傍観者からメインキャストへと突如変貌を遂げたのは36分だ。
 
 イニエスタとラキティッチに挟まれるような形でピッチ中央に陣取り、ネイマールから受けたパスを右サイドのスペースへ流し込む。D・アウベスがダイレクトで入れたクロスは、逆サイドのネイマールの頭を経由し、ゴール正面に走り込んだメッシのもとに戻ってきた。
 
 キックフェイントでマーカーをヒラリとかわし、左のアウトサイドでゴール右隅に蹴り込む――。高難度のプレーで、チームに待望の先制点をもたらした小柄なエースは、その後、完全にピッチ全体を掌握。
 
 53分には2列目からの鋭い飛び出しでリーベル・ゴールを脅かし、80分には中盤の低い位置からスアレスにスルーパスを通すなど、試合終了の笛が吹かれるまでピッチの主でありつづけた。
 
 マン・オブ・ザ・マッチは、この日2ゴールのスアレスに譲った。それでもルイス・エンリケ監督は、「メッシこそベストプレーヤー。彼の勝ちたいという気持ちがチームに大きな影響を与えた」と語る。
 
 メッシが戻ったバルサはやはり強かった。最後まで大声援を送り続けたリーベルのサポーターも、心の片隅で母国の英雄を誇らしく思ったに違いない。

【PHOTOハイライト】リーベル 0-3 バルセロナ
 
取材・文:竹田 忍(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

 
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