［J１第10節］神戸２－０湘南／４月29日／ノエビアスタジアム神戸

　まさに圧巻の一撃だった。

　４月29日に開催されたJ１第10節で、首位のヴィッセル神戸はホームに湘南ベルマーレを迎えた。

　神戸は21分、エリア手前中央のやや右寄りの位置でFKを得る。このチャンスに、左サイドバックで先発した初瀬亮が左足を一閃。スピードに乗ったボールは、美しい弧を描いてゴール右上に突き刺さった。

　さらに80分には、カウンターから前線に上がった山口蛍が右足で流し込んで追加点。２－０で勝利を飾った。
 

　先制点となる見事な直接FKを叩き込んだ初瀬は、「あそこしかなかった、完璧だった」と自身のキックを振り返る。

「ちょっと距離があったし、スピードボールが必要かなとは思っていた。自分のキックにフォーカスして、しっかり蹴れた。押し込まれた時間帯だったので、そういう時にセットプレーで点を決められたのは大きい。チームの勝利が全てで、貢献できて良かった」

　両足から繰り出される多彩なキックや精度の高いクロスなど、攻撃面に目が行きがちな初瀬だが、吉田孝行監督は「１番成長したのは守備のところ」と評価。

「昨シーズンは多少の緩さ、ポジショニングの悪さがあったが、それを彼に直接伝えてチームとしてのベースを示した。それを彼が実行してくれている。

　彼のキック精度は非常に高いものがある。もともと攻撃に関しては良いものをたくさん持っているが、守備の部分で今シーズン変わってきている」と賛辞を贈った。

　首位をキープした神戸は次節、５月３日にアウェーで３位・名古屋グランパスとの上位対決を控える。攻守における初瀬の活躍に注目だ。

取材・文●中川翼（サッカーダイジェストWeb編集部）

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