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目標の「5位以上」達成へ、湘南が解決すべき守備の課題とは?「前線からのプレッシングは手応えを感じていますが…」

カテゴリ:Jリーグ

岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

2023年02月25日

「奪う回数は増えましたが、空いたスペースを突かれています」

山田は82分から途中出場すると、自陣ゴール前で身体を張ったプレーを披露。守備での献身が目立った。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第2節]湘南2-2横浜FC/2月24日/レモンガススタジアム平塚

「選手というよりも、僕の問題です」

 試合後、湘南の山口智監督が勝点1を分け合った一戦について、悔しさを滲ませた。湘南からすれば、何としてでも勝点3が欲しい試合だったからだろう。

 開始12秒で失点し、難しい入りを強いられた横浜FCとのホームゲーム。開幕節で鳥栖を苦しめた連動したハイプレスでリズムを取り戻すと、17分に町野修斗の今季初ゴールで同点に追いつく。さらに23分に相手のオウンゴールで逆転に成功した。後半はアウェーチームに押し込まれる時間が長くなり、セットプレーから同点弾を喫してドロー決着。

 湘南のシュート数が20本、横浜FCが17本と、“殴り合い”の様相となったが、より多くの決定機を得たのは湘南だった。特に町野には再三チャンスが訪れたが、惜しくも枠を捉えられず、本人も「特にループシュートを外した場面(39分)が、悔やまれます」と語っていた。

 ただ、勝点2を落としてしまった最大の要因は、決定機を逸したことではないように思う。相手のオウンゴールがあったとはいえ、開幕2試合で複数得点を記録。むしろ、昨季の課題である得点力不足は解消しつつある。山口監督も「ゴールへの意識は高くなってくれている」と評価。鳥栖戦の5発も一時の勢いだけで奪ったわけではなく、高い位置で奪ってからのショートカウンターやデザインされたコーナーキックという狙い通りの形からのゴールだっただけに、今後も継続的なゴール量産が期待できそうだ。
 

 ここまでを見る限り、最も大きな課題は、守備にある。守備と言っても様々あるが、問題を抱えているのは押し込まれた時の対応だ。

 先述したとおり、ハイプレスは機能している。2トップやサイドボランチから始まる、前線からの連動した守備は今の湘南の主武器となっており、今季奪った7ゴールのうち、5得点が奪ってから10秒程度で攻撃を完結している。

 一方、ブロックを組む守備は昨季よりも不安定になっているように映る。横浜FC戦での立ち上がりの失点シーンをはじめ、相手に間を割られたり、最終ラインのギャップを突かれる回数も多い。昨季は安定した守備ブロックにも定評があったが、今季はなぜそこにヒビが入っているのか。3バックの右を務める舘幸希に話を聞くと、チームの課題が見えてきた。
 
「うちの特徴としてサイドのセンターバックが相手を掴みに行くので、その裏を狙われているのは、この2試合で感じています。そこの埋め方や、誰がついて行くかの連係がまだまだ足りない。相手のクロッサーに対して強く行くとか、相手との間合いを意識してやっている分、奪う回数は増えましたが、空いたスペースを突かれています。前へ出る守備は自分たちの武器ですが、自陣でゴールを守ることも大事なので、バランスを取りながらやっていきたい」

 ハイプレスは昨年よりも勢いを増し、敵陣でボールを奪って攻め切る回数が増えている分、出て行った後ろのスペースのケアに対して、まだ戸惑いがあるようだ。前に出る分、後ろの整理は難しくなる。プレスで奪い切ることを前提により勢いを持っていくのか、リスクを考えて前に出る基準を下げるのか……。簡単ではないが、「バランスを取りたい」ところだ。
 
 目標の「5位以上」を本気で狙っていくうえで、1点差を守り切るような試合もあるだろう。そこで勝点3を取るのか、横浜FC戦のように1ポイントしか取れないのかでは、最終的な順位が大きく変わってくる。「場面ごとに『そのプレーをしてしまったら、こうなる』ということを選手が理解できていない部分がある。それをやらせないようにするのが僕の仕事です。選手は一生懸命やっているので、手助けしたい」と守備の修正に意欲を見せる指揮官のもと、攻守に連動した新たな湘南スタイルがどう成長していくのか。
 
 次節はアウェーで川崎フロンターレとの一戦を控える。昨季シーズンダブルを達成した同県の好敵手を、より魅力的なサッカーで上回りたい。
 
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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