他の新卒選手には無いアドバンテージ
来るべき2023年シーズン、リーグを盛り上げるのはいったい誰か。新たなスターは生まれるのか、未来を切り拓くニューヒーローは出現するのか。番記者推奨のブレイク候補、今回は京都サンガF.C.のFW木村勇大だ。
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肩書きは大卒ルーキーとなるが、木村勇大はすでに特別指定選手としてJリーグデビューを果たしている選手だ。昨年の開幕・浦和戦で交替出場して、12年ぶりのJ1勝利という歴史的瞬間をピッチ上で迎えると、4日後のルヴァンカップ・グループステージ初戦の柏戦では、3トップの一角で先発。ドリブル突破からGKのニアサイドを打ち破る豪快なシュートで初得点も決めている。
その後は関西学院大に戻り、関西学生リーグを戦うなかで得点を量産。前半戦を終えた時点で、全日本選抜の活動などで欠場する試合がありながら、得点ランキング2位という結果を出している。夏から秋にかけて再び京都に合流すると、印象に残るプレーをいくつも見せて、9月にはパリ五輪を目ざすU-21日本代表にも初選出された。
今年から本格的にプロ選手としてのキャリアをスタートさせるが、すでに曺貴裁監督が率いるチームの雰囲気や、国内最高峰の選手たちがしのぎを削るJ1のレベルは体感ずみだ。また「去年は甘えじゃないけれど『特別指定選手でチームに参加している』という意識が無かったとは言えない。今年は正真正銘、プロ選手として京都サンガの一員となって戦う。その変化は感じています」と、精神的な違いも口にしている。
曺監督からは昨年のうちにプロの世界の競争や、本当の意味でチームのために戦うことなど指摘を受けており、意識改革が進んだ状況で今季の始動日を迎えていることは、他の新卒選手には無いアドバンテージだ。
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肩書きは大卒ルーキーとなるが、木村勇大はすでに特別指定選手としてJリーグデビューを果たしている選手だ。昨年の開幕・浦和戦で交替出場して、12年ぶりのJ1勝利という歴史的瞬間をピッチ上で迎えると、4日後のルヴァンカップ・グループステージ初戦の柏戦では、3トップの一角で先発。ドリブル突破からGKのニアサイドを打ち破る豪快なシュートで初得点も決めている。
その後は関西学院大に戻り、関西学生リーグを戦うなかで得点を量産。前半戦を終えた時点で、全日本選抜の活動などで欠場する試合がありながら、得点ランキング2位という結果を出している。夏から秋にかけて再び京都に合流すると、印象に残るプレーをいくつも見せて、9月にはパリ五輪を目ざすU-21日本代表にも初選出された。
今年から本格的にプロ選手としてのキャリアをスタートさせるが、すでに曺貴裁監督が率いるチームの雰囲気や、国内最高峰の選手たちがしのぎを削るJ1のレベルは体感ずみだ。また「去年は甘えじゃないけれど『特別指定選手でチームに参加している』という意識が無かったとは言えない。今年は正真正銘、プロ選手として京都サンガの一員となって戦う。その変化は感じています」と、精神的な違いも口にしている。
曺監督からは昨年のうちにプロの世界の競争や、本当の意味でチームのために戦うことなど指摘を受けており、意識改革が進んだ状況で今季の始動日を迎えていることは、他の新卒選手には無いアドバンテージだ。
FWとしてのメンタリティは加入前から評価されている。大学3回生の時に練習参加した際、日本人選手はもちろん、外国籍選手にまでプレー面の要求を伝えていたというから驚きだ。強化部の中山博貴氏も木村へ期待を寄せており、現役時代に自身が背負い続けた15番を今季から託している。
木村自身も生え抜きのレジェンドが身につけてきた歴史や思いは、しっかりと受け止めている。そのうえで「プレッシャーにはならない?」という質問に対して「でも背番号でサッカーをやるわけじゃないので」と言ってのけるのも彼らしい。
プレーに関しても、ゴールへ向かう推進力やシュートに持ち込む鋭さは、相手の脅威となる。1月の沖縄キャンプ、最初の練習試合で獲得したPKは移籍後初ゴールを欲しがったパトリックにキッカーを譲ったが、その後の試合では相手DFが触らなければ彼が決めていたというオウンゴールも含めて、実質ハットトリックという活躍を見せた。
「練習から取り組んでいることが試合で出せて得点につながった」という言葉からは、現状に満足せず貪欲に成長を求めている姿勢がうかがえる。
今年の京都には多くのFWが在籍する。昨年の主力が残留したところに、複数の即戦力も加わった。最も競争が激しいとされるポジションだ。「チームメイトは優れた実力を持っている人たち」と敬意を表すとともに「自分にしかない武器があると思っている」と自信ものぞかせる。それをプレーで体現できれば、今季のブレイクは現実のものとなるだろう。
取材・文●雨堤俊祐(サッカーライター)
【布陣図】2023年シーズン J1全18クラブのポジション別最新序列
【PHOTO】際立つデザインがずらり! Jクラブの2023年シーズン新ユニホームギャラリー
木村自身も生え抜きのレジェンドが身につけてきた歴史や思いは、しっかりと受け止めている。そのうえで「プレッシャーにはならない?」という質問に対して「でも背番号でサッカーをやるわけじゃないので」と言ってのけるのも彼らしい。
プレーに関しても、ゴールへ向かう推進力やシュートに持ち込む鋭さは、相手の脅威となる。1月の沖縄キャンプ、最初の練習試合で獲得したPKは移籍後初ゴールを欲しがったパトリックにキッカーを譲ったが、その後の試合では相手DFが触らなければ彼が決めていたというオウンゴールも含めて、実質ハットトリックという活躍を見せた。
「練習から取り組んでいることが試合で出せて得点につながった」という言葉からは、現状に満足せず貪欲に成長を求めている姿勢がうかがえる。
今年の京都には多くのFWが在籍する。昨年の主力が残留したところに、複数の即戦力も加わった。最も競争が激しいとされるポジションだ。「チームメイトは優れた実力を持っている人たち」と敬意を表すとともに「自分にしかない武器があると思っている」と自信ものぞかせる。それをプレーで体現できれば、今季のブレイクは現実のものとなるだろう。
取材・文●雨堤俊祐(サッカーライター)
【布陣図】2023年シーズン J1全18クラブのポジション別最新序列
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