キャンプでは余裕を感じさせる立ち居振る舞い
来るべき2023年シーズン、リーグを盛り上げるのはいったい誰か。新たなスターは生まれるのか、未来を切り拓くニューヒーローは出現するのか。番記者推奨のブレイク候補、今回は横浜F・マリノスのMF山根陸だ。
――◆――◆――
正確な技術と冷静な判断でボール回しにリズムとテンポを生み出す。いついかなる場面でも慌てず落ち着き払っている様子は、まったく19歳に見えない。「ゲームコントロールが自分の特長」と言うだけあって、山根陸のプレーはいつもエレガントだ。
昨季はユース出身の新人らしからぬパフォーマンスを披露した。リーグ戦11試合出場は連戦時に採用したターンオーバーの恩恵を預かった部分も大きいとはいえ、先発した試合で可能性を示したのは紛れもない事実。まだ10代のプレーヤーが優勝メンバーの一員としてルーキーイヤーを過ごした価値は計り知れない。
迎えた2年目の今季、キャンプでは余裕を感じさせる立ち居振る舞いが格段に増えた。フォーメーション練習で近くのポジションの選手と真剣な表情で意見交換したかと思えば、練習後には大島秀夫アシスタントコーチとじゃれ合う。オンとオフの使い分けはプロとしての階段を着実に上がっている証左だろう。
ボランチとCBの両方で獅子奮迅の活躍を見せた岩田智輝は海を渡ったが、それでも先輩ボランチの層は厚い。喜田拓也、渡辺皓太、藤田譲瑠チマといった実力者たちとのポジション争いを制さなければ、公式戦のピッチは遠ざかってしまう。
しかし臆するはずがなく、遠慮するつもりも毛頭ない。
「彼らに割って入るくらいの存在、実力になりたい。今はまだボランチの4番手という自覚はあるけど、自分の特長を整理しながらできることを増やしていきたい。それぞれに武器と特長があるので比べすぎることなく、存在感を出したい」
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正確な技術と冷静な判断でボール回しにリズムとテンポを生み出す。いついかなる場面でも慌てず落ち着き払っている様子は、まったく19歳に見えない。「ゲームコントロールが自分の特長」と言うだけあって、山根陸のプレーはいつもエレガントだ。
昨季はユース出身の新人らしからぬパフォーマンスを披露した。リーグ戦11試合出場は連戦時に採用したターンオーバーの恩恵を預かった部分も大きいとはいえ、先発した試合で可能性を示したのは紛れもない事実。まだ10代のプレーヤーが優勝メンバーの一員としてルーキーイヤーを過ごした価値は計り知れない。
迎えた2年目の今季、キャンプでは余裕を感じさせる立ち居振る舞いが格段に増えた。フォーメーション練習で近くのポジションの選手と真剣な表情で意見交換したかと思えば、練習後には大島秀夫アシスタントコーチとじゃれ合う。オンとオフの使い分けはプロとしての階段を着実に上がっている証左だろう。
ボランチとCBの両方で獅子奮迅の活躍を見せた岩田智輝は海を渡ったが、それでも先輩ボランチの層は厚い。喜田拓也、渡辺皓太、藤田譲瑠チマといった実力者たちとのポジション争いを制さなければ、公式戦のピッチは遠ざかってしまう。
しかし臆するはずがなく、遠慮するつもりも毛頭ない。
「彼らに割って入るくらいの存在、実力になりたい。今はまだボランチの4番手という自覚はあるけど、自分の特長を整理しながらできることを増やしていきたい。それぞれに武器と特長があるので比べすぎることなく、存在感を出したい」
宮崎キャンプではチーム事情によって左SBでプレーする場面も。本来の持ち場を離れる悔しさをおくびにも出さず、動画でさまざまなタイプのSBを研究するなど前向きな姿勢で取り組んだ。
「自分としては細かいところを整えていったら悪くない感覚だと思っている。ゴール前に入っていける可能性も増える」とポジティブ全開。試合では数日前にコンバートされたとは思えないスムーズなプレーを見せ、サッカーIQの高さを見せつけた。
ボランチ以外のポジションもこなせれば、試合出場の可能性を大きく広げられる。目的は明確で、だから迷いはない。「スタメンで出る試合を増やしたい。途中出場の経験も大事だけど、スタメンは緊張感が違うし、まったく違う経験値になる」。
出場11試合は立派でも、先発はわずかに4。チームが3年ぶりの優勝に向けて突き進んだラスト10試合で一度もベンチ入りできなかった悔しさは忘れていない。
アップデートに必要な試合経験を重ね、次のステップに歩を進めたい。「自分の力でこじ開けないといけない」と短い言葉に力を込め、新シーズンでの飛躍を誓う。
取材・文●藤井雅彦(ジャーナリスト)
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「自分としては細かいところを整えていったら悪くない感覚だと思っている。ゴール前に入っていける可能性も増える」とポジティブ全開。試合では数日前にコンバートされたとは思えないスムーズなプレーを見せ、サッカーIQの高さを見せつけた。
ボランチ以外のポジションもこなせれば、試合出場の可能性を大きく広げられる。目的は明確で、だから迷いはない。「スタメンで出る試合を増やしたい。途中出場の経験も大事だけど、スタメンは緊張感が違うし、まったく違う経験値になる」。
出場11試合は立派でも、先発はわずかに4。チームが3年ぶりの優勝に向けて突き進んだラスト10試合で一度もベンチ入りできなかった悔しさは忘れていない。
アップデートに必要な試合経験を重ね、次のステップに歩を進めたい。「自分の力でこじ開けないといけない」と短い言葉に力を込め、新シーズンでの飛躍を誓う。
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