韓国サッカー界のスーパーレジェンドが元日本代表MFに怒り心頭だ。テレビ局『KBS』をはじめとした韓国の主要メディアが一斉にその声明を伝えている。

　現地１月11日、韓国Ｋリーグ１部・蔚山現代のホン・ミョンボ監督は報道陣の取材に応じ、年明け早々にライバルである全北現代に移籍した天野純に対して、「彼は私に嘘をついて出て行ったんだ。クラブのことも我々の選手のこともまるで尊重しなかった」と断じた。

　ちょうど１年前、天野は横浜Ｆ・マリノスから蔚山にレンタル移籍。迎えた2022年シーズン、攻撃陣をリードする奮迅の活躍を見せて９得点・１アシストをマークし、蔚山の17年ぶりとなるＫリーグ１部制覇に多大な貢献を果たした。それが今オフ、長年に渡って覇権を争う好敵手に電撃移籍。ホン・ミョンボ監督にとっては寝耳に水の展開だったようだ。

「シーズンが終わって、彼は『お金は重要じゃない。僕は残留する』と話していた。ならばクラブに（横浜へ）レンタル料を多く払えるか打診しようと言ったが、その後に彼は全北に行ってしまったんだ。もし最初からお金の話をしてくれていたなら、チームへの貢献を考えて交渉もできただろうが、結局は彼は重要じゃないと言っていたお金のところで判断して、移籍を決めた。私に嘘をついて出て行ったわけだ」

　そう吐き捨てると、「彼は私がこれまでに出会った日本人の中で過去最悪だ」と言い切り、「まあ居なくなったからといって大した問題じゃないがね」と続けた。
 

　現地報道によれば、蔚山も全北も横浜側に支払うレンタル料は同額ながら、天野のサラリーに関しては、全北の提示額のほうが10万ドル（約1330万円）高かったという。天野自身は全北の公式YouTubeチャンネルで「新しいチャレンジをしたいという自分の想いもあって、そのなかで全北からオファーをもらい、レベルアップしたいと考えて決めました」と明かしている。

　今冬の移籍市場でもバチバチのライバル関係で鎬を削っている両雄。天野を巡る新たな因縁が生まれたことで、2023年シーズンの直接対決はさらなる盛り上がりを見せそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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