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「本当に自分のせいで負けた」高川学園の2年生エースに成長への糧を与えた“終了間際の2プレー”【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年01月03日

「これが実力なので、また一からやっていきたい」

10番を背負って闘った山本。2度目の選手権は16強での終戦に終わり、悔しさを噛み締めた。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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[高校選手権3回戦]高川学園 0-2 東山/1月2日(月)/県立柏の葉公園総合競技場

 プロ注目のエースストライカー、山本吟侍の2度目の選手権はベスト16で幕を閉じた。

 高川学園の2年生FWは180センチのサイズ、キック精度、そしてパワーを誇り、昨年度は1年生ながら国立のピッチを経験。今年度は名門・明治大で1年生ながら出番を掴み、リーグ優勝に貢献したFW林晴己から背番号10を引き継ぎ、7月にはU-16日本代表候補にも選出される。トレーニングマッチでは正確なポストプレーとFKを鮮やかな軌道で直接決めるなど活躍した。

 飛躍の一年となるはずだったが、その後に怪我もあり長期離脱を強いられてしまう。選手権予選がはじまる1か月前に復帰するも、コンディションがなかなか戻らない自分に焦りを覚えていた。

「コンディション不良と実力不足が重なっての選手権だったので、結果を残さないといけないと思っていたのですが、思うようなプレーができませんでした」

 3回戦で東山に0-2の敗北を喫し、目を真っ赤にしてミックスゾーンにやってきた山本は、声を振り絞るようにこうこぼした。

 初戦の富山一戦ではPKを決め、2-0の勝利に貢献したが、チーム最多のシュートを放ちながら、流れの中からゴールを奪うことはできなかった。迎えた東山戦、チームは開始1分にCKから失点するというまさかの立ち上がりとなり、思うようにリズムを掴めなかった。

 そんな時こそ、エースの一撃が流れを変える。しかし山本は前半のシュートが0本に終わると、後半も攻撃の起点になれなかった。それでも後半27分には左からのクサビのパスに対して、相手DFを背負いながら受け、抜け出してきたDF中島颯太(3年)へ鮮やかなフリックパス。相手GKと1対1になった中島のシュートはDFの足先に触れて枠を外れたが、判断と質のクオリティが高いプレーを見せた。

 だが、その後が続かなかった。迎えた後半アディショナルタイム3分、センターラインでゴールを背にボールを受けると、寄せてきたMF藤本崇太(3年)にうまく身体を当てながら鋭いターン。前を向いた瞬間にボールを奪いにきたMF松橋啓太(3年)のチェイシングを絶妙な右足タッチでかわし、さらに前に出るなど、持ち味をついに発揮したかに見えた。ところが、もうひとり寄せてくるのを感じると、彼はスルーパスを選択。パスの受け手であるMF佐藤大斗(2年)の前にはDFふたりがおり、佐藤はボールに触れないまま、相手GKの手に渡った。

 さらにその直後には、左からクロスが上がるも得意のヘッドを繰り出す直前に相手の頭に先に触られ、そのボールは左サイドに流れる。そこからクロスが届くも、ミートできずにタイムアップの時を迎えた。
 
「(アディショナルタイム3分のシーンで)ドリブルで途中までうまく行けたのに、最後はパスを選択してしまった。あれはそのまま自分で行けばよかったと思いましたし、『FWらしくないな』と自分で思っていました……。

 最後のクロスも自分がもっと要求して、信頼されていたら、ボールも自然と自分のところに来ますし、入り方だったり、ポイントが決まっている中で自分の入り方、仲間からの信頼が足りていないと思うので、来年はもっと信頼してもらえるように頑張りたいと思います。本当に自分のせいで負けた。3年生に申し訳ないと思っています」

 溢れ出る後悔の念。この悔しさは1年後に晴らさなければいけない。このままで終わってはいけない。

「これが実力なので、また一からやっていきたいと思います」

 初心に帰って一歩ずつ。よりひと回りもふた回りも大きなストライカーになってこの舞台に戻ってくるべく、彼のリベンジの一年が幕を開けた。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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