日本代表は11月23日、カタール・ワールドカップ（W杯）の初戦でドイツ代表と対戦し、２－１で勝利した。
 
　日本は33分にPKから失点し、そのまま０－１で前半を折り返すと、後半から久保建英に代えて冨安健洋を投入して３バックに変更。これが奏功し、77分に堂安律が、83分に浅野拓磨が殊勲のゴールを挙げた。
 
　試合後、貴重な同点弾につながるシュートを放った南野拓実が、ドイツ戦の勝利について次のようにコメントした。
 
「嬉しかったけど、まだ１試合です。ベスト８以上に行くにはグループリーグを首位で通過することが重要。試合終了の笛が鳴った瞬間、喜びと同時に『まだ終わりじゃない』と気を引き締めました」
 
　また、同点ゴールのシーンについては「（三笘）薫があそこでボールを持てば何かを起こしてくれると思っていますし、実際に最高のタイミングでパスを出してくれた。中の状況は見ていませんでしたが、シュート性のボールを蹴ればGKが弾くか、オウンゴールになるだろうと。ゴールにつながったのは結果論ですが、あそこでふかしていたら何も起こらなかったので、枠に打てて良かったです」とチームメイトを称えつつ、自らのプレーを振り返った。
 

　途中出場で得点に絡んだ10番は、「ベンチから見ていて、攻撃面ではカウンターでワンチャンスありそうだと感じていました。守備面では、前向きな守備が必要だとも。そういった選手の存在が試合の流れを変えると思った」と語る。実際に南野は積極的な姿勢と献身的なプレスで、勝利を呼び込んで見せた。
 
　アジア予選では、常にチームの主軸として攻撃を牽引してきた南野。控えに甘んじている現状に「もちろん、悔しさもある」としたうえで、ベンチスタートでも勝利に貢献できた要因を次のように語った。
 
「チームの勝利を最優先に考えて、良い準備ができていますし、今日はそれが形になりました。監督からも『ワールドカップは総力戦。誰が、どんな時間から出ようが、ベンチも含め全員の力が必要だ』と言われています。当然、常にスタメンで出場できる準備をしていますが、僕を含めて全員がチームのことを考えて戦えているからこそ、今日の勝利があるのかなと」
 
　最後に、W杯で初出場を果たした心境を聞かれると「特別な意識はないですね。出て何をするかが重要ですから。ただ、今日は自分の思い出に残る試合になりました」とコメント。歴史的な大金星を喜んだ。
 
　重要な一戦で勝点３を掴んだ日本だが、目標はあくまでベスト８以上。チームが未踏の地に足を踏み入れるには、常にフォア・ザ・チームの精神を持つ南野の活躍が必須だ。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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