９月１日、欧州主要リーグの夏のマーケットが最終日を迎えた。

　イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は、セリエAの全20クラブの移籍市場を採点し、ユベントスとローマに最高の８点をつけている。

　ポール・ポグバやアンヘル・ディ・マリアをフリーで獲得し、マタイス・デリフトを高額で売却したユベントスについて、同紙は「多くの選手を人間的なコストで獲得した、素晴らしいスタイルの移籍市場となった」と評した。

「ポグバ、ディ・マリア、フィリップ・コスティッチ、レアンドロ・パレデス、アルカディシュ・ミリクの獲得は、骨を折ったが最後は実った。また、インテルを制してブレーメルも獲得。デ・リフトがバイエルンに向かったとき、フロントは素早くブレーメルに向かった」

　一方、パウロ・ディバラやジョルジニオ・ヴァイナルドゥム、ネマニャ・マティッチといった大物を加え、優勝候補の一角との声も上がるようになったローマについては、「あらゆるセクションを強化したローマにとって最も重要だったのがディバラのイエスだ」と伝えている。

「チアゴ・ピントGMは一線級のフリー選手獲得に関してナンバーワンであり、狂気の金額を払うこともなかった。ディバラに加え、マティッチ、ヴァイナルドゥム、マディ・カマラを獲得。最小限のコストでタミー・エイブラハムの控えとしてアンドレア・ベロッティも獲得した。オーナーは、ジョゼ・モウリーニョというカリスマ的な導き手を持つ野心的なプロジェクトに継続性をもたらした」
 

　続いて高評価を得たのは、7.5点だったミラン、ナポリ、トリノの３クラブだ。

　ほとんどの主軸を残しつつ、強く望んだ有望な若手シャルル・デ・ケテラーレの獲得を実現させ、ほかにも将来が期待できる若い才能を重視する路線を貫いたミランには、「持続可能性を尊重した、分別のある方針を続けている」と賛辞を寄せた。

　また、ロレンツォ・インシーニェ、ドリース・メルテンス、カリドゥ・クリバリと近年の顔だった選手たちに別れを告げたナポリには、「ルチャーノ・スパレッティ監督は文句の言いようがない」と、刷新ぶりを評価している。

「キム・ミンジェは好発進しており、クリバリとの比較にも恐れを抱いていない。クビチャ・クワラツヘリアはインシーニェを失ったサポーターたちのアイドルにまでなった。メルテンスの後釜ジャコモ・ラスパドーリ、アンドレア・ペターニャの後釜ジョバンニ・シメオネと、世代交代の模範だ」

　続く７点をつけられたのはインテルのみ。クリスティアン・アスラニ、ラウル・ベッラノーバ、ヘンリク・ムヒタリアンの獲得に加え、ロメル・ルカクの復帰を実現させたことで、「ロケットスタート」「取り巻く環境を沸かせた」としている。

　一方で、クラブの財政事情から資金捻出のためにアンドレア・ピナモンティやチェーザレ・カーザデイを売却し、ミラン・シュクリニアルに対するパリ・サンジェルマンの攻勢が最後まで続いたとあり、「一連の苦悩」があったとも報道。ただ、最後はフランチェスコ・アチェルビを獲得し、守備強化を望んでいたシモーネ・インザーギ監督の要望をかなえたことで「土壇場で安堵」ともつけ加えている。

　そのほか、6.5点だったのはラツィオ、レッチェ、サレルニターナ。アタランタ、ボローニャ、クレモネーゼ、モンツァ、サッスオーロ、ウディネーゼは及第点の６点だった。その及第点を割ったのは、5.5点のエンポリ、サンプドリア、ヴェローナ。最低点はスペツィアの５点となっている。

　一部の市場はまだ開いており、フリー選手の獲得もまだ可能だ。だが、マーケットが終了したことで、各クラブの人材選択が適切だったのか、ピッチでの「テスト」がこれから始まる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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