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飛び交うポジティブな声。誰もが常に全力。“23人で勝ち切る”を実践する大岩ジャパンの揺るぎない一体感【U-21代表】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2022年06月09日

楽しそうな表情でウォーミングアップ

レギュラーもサブもない。全員が同じ気持ちで戦っている。揺るぎない一体感は大岩ジャパンの強みだ。写真:松尾祐希

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 23歳以下のチームで挑む国がほとんどのU-23アジアカップにおいて、21歳以下の選手たちで構成されている日本が好スタートを切っている。

 グループステージの2節が終わった段階で、1勝1分の勝点4でグループ2位。UAEとの初戦は2-1で勝ち切り、続く優勝候補筆頭のサウジアラビアとの一戦は、スコアレスドローで勝点1を手にした。6月9日に行なわれるタジキスタンとの最終戦を引き分け以上で終えられれば、自力でノックアウトステージ進出が決める状況だ。

「我々は貴重な経験の場だと思って参加しているわけではない。優勝を目ざしてしっかり準備していく」。初戦前日に大岩剛監督がこう話していたが、ここまではサッカーの質を求めつつ、様々なアクシデントにも対応しながら勝点をしっかり重ねている。今大会の目標に向かって、順調に航海を続けているのは間違いないだろう。

 手応えは十分。2試合が終わった段階で全てを語れないが、なぜ大岩ジャパンはうまくいっているのか。その理由のひとつが、チームの雰囲気だろう。

「誰が初招集だろうが、すぐパッと打ち解けられるチーム」と小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)が話す通り、緊張感を持ちながらも誰もがとけ込みやすい雰囲気が漂う。日々の練習を見ていても、そこかしこでポジティブな空気感が出ている。

 レクリエーション的な要素が入ったウォーミングアップでは、選手たちが楽しそうな表情で身体をほぐす。戦術的な練習ではスイッチを切り替えて、積極的にコミュニケーションを取りながらメニューを消化していく。もちろん、こうした要素はどこのチームでもあるのだが、大岩ジャパンで特筆すべきは、サブ組の選手が誰ひとり腐らずに取り組んでいる点だろう。

 その象徴と言えるのがGK陣だ。2試合連続で鈴木彩艶(浦和)がゴールマウスを守り、小久保、佐々木雅士(柏)は控えに甘んじている。ひとりしか出場できない特殊なポジションで、メンタルが崩れてもおかしくないが、彼らは決してネガティブな振る舞いを見せない。試合前のウォーミングアップでは必ず3人がハイタッチを交わす姿が見られ、トレーニングでも盛り立てる声を積極的にかけ続けている。

 GK陣の振る舞いについて、小久保はこう話す。

「彩艶も雅士も100パーセントで練習からやっているので、自分も100パーセントでやらないといけない。ここまで2試合、彩艶が出場しているのは当然悔しい。だけど、100パーセントでトレーニングしているからこそ、すぐリセットできて『彩艶、頑張ってこい!』という想いで送り出せるんです。それを雅士と一緒にできているので、本当に良い関係です」

 ライバルであっても、全力で背中を押せる関係性。鈴木彩もふたりの存在が大きいと話し、「本当に自分が気持ち良くプレーする状況を整えてくれる」と感謝の言葉を口にする。
 
 そうした振る舞いはGK陣だけではない。フィールドプレーヤー組もそうだ。7日のトレーニングでは、UAE戦で先発しなかった選手たちとGK鈴木彩がグラウンドでメニューを消化したが、“次は俺の出番だ”と言わんばかりに誰もが手を抜かず、誰もがポジティブな声を発していた。その理由について、DF内野貴史(デュッセルドルフ)は言葉を紡ぐ。

「大岩監督がいつも言っているのですが、23人でこの大会を勝ち切る。出ている人、出ていない人はいるけど、チームとしていつ試合に出場してもいいように準備しないといけない。その中でピッチに立っていない時にどんな振る舞いをするかで、周りがどうしてくれるかにはね返ってくる。そこは監督から口酸っぱく言われていますね」

 試合に出た時だけ、全力を尽くすわけではない。大岩監督はピッチ外でいかに振る舞うかも選手たちに求めてきた。そうした取り組みも勝利のために必要だ。現時点では3戦目のメンバーは分からないが、誰もがピッチに立つ準備はできている。チーム全体で醸し出す一体感があれば、大岩ジャパンの成長スピードはさらに加速していくはずだ。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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