阿修羅のごとく、“凄み”が増した鈴木優磨。威風堂々たる立ち振る舞いで鹿島をけん引。潔く、一切の迷いも妥協もなく勝利を追い求める

カテゴリ:Jリーグ

小室功

2022年04月18日

「何でもできる万能型FW」(樋口)

欧州での経験を経て、さらに“凄み”が増した鈴木。威風堂々たる立ち振る舞いで、覇権奪還を期す鹿島をけん引する。(C)SOCCER DIGEST

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 ピッチ上の阿修羅のごとく、“凄み”を増している。

 こんな言い回しが今、最も当てはまるのが、鹿島アントラーズの鈴木優磨ではないか。

 FWとしてゴールを目指すのはもちろん、労を惜しまず守備に走り、球際で戦い、ときに鬼の形相で吠える。チームの勝利に向かって全身全霊をかける鈴木の姿は見るものの心をつかんで離さない。

 およそ2年半、シント=トロイデン(ベルギー)でのプレーを経て、今季から古巣・鹿島に帰還。シーズン開幕前、こう宣言した。

「タイトルを獲るために戻ってきた」

 クラブレジェンドの小笠原満男(現アカデミーのテクニカルアドバイザー)が背負ってきた40番を、現在、身にまとっているが、それは不退転の決意表明でもある。

「自分にとって一番、プレッシャーがかかる背番号は何か。そこを考えたとき、40番だと思った。小さい頃から鹿島の試合を見てきたけれど、タイトルを獲っているときにいつも40番の満男さんがいたという記憶が強い。鹿島は常にJリーグを引っ張ってきたクラブ。もう一度、そこにいけるように全力を尽くしたい」

 言葉の端々に覚悟がほとばしる。

 小笠原が40番を背負うようになったのは、メッシーナ(イタリア)から鹿島に戻ってきた2007年の夏だった。鹿島ジュニアに在籍していた鈴木は、当時11歳。Jリーグ史上初となる3連覇に向けて、鹿島が突き進んでいく黄金期でもあった。

 自身の未来に思いをはせるサッカー少年の脳裏に、クラブの栄光とともに背番号40が刻まれた。それはまさに鹿島イズムの洗礼を受けた瞬間といってもいいだろう。

「同年代で、オレよりうまい選手を見たことがない」

 鹿島のアカデミー出身の鈴木は、子どもの頃からこんなふうにうそぶき、お山の大将だった。その鼻っ柱の強さがときに誤解を招くこともあったようだが、FWたるもの、このくらいのオラオラ感はむしろ頼もしく映る。
 
 だが、一方で、周りを生かす術も心得ている。今季、2トップを組む上田綺世は「僕はディフェンスラインの背後のスペースに出たいタイプ。優磨君のようにボールを収めてくれるFWは素直にやりやすい」と顔をほころばせ、こう続ける。

「お互いにどういう動きをするのか、どういうクセがあるのか、そこを尊重し合いながら、イメージを共有している。優磨君からの直接的なラストパスもあるし、そこでタメを作って次という展開もある。試合を重ねることで、連係面がもっと良くなっていくと感じる」

 鈴木の“凄み”を後方から見続けるボランチの樋口雄太は「何でもできる万能型FW。相手にしたらすごく危険だけど、味方にしたらこれほど頼もしい存在はいない」と、全幅の信頼を寄せる。

 Jリーグ第9節の名古屋戦はスコアレスドローに終わり、歯がゆさを募らせた。「人数をかけて守る相手を崩しきれなかった。点を取るためにあれこれ変化をつけたけれど、結局1点も決められなければ、それはFWの責任」と、鈴木の思考回路は単純明快だ。こうした潔さもまたFWとしての魅力だろう。

 威風堂々たる立ち振る舞いでチームをけん引する生え抜きストライカーの念頭にあるのは、鹿島の勝利にほかならない。どんな形であれ、勝ちたい。いや、勝たなければいけない。そこに一切の迷いも妥協もなく、その熱こそが“凄み”の源流となっている。

取材・文●小室功(オフィス・プリマベーラ)

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