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淀みないプレーで川崎の包囲網を回避。浦和の岩尾は〝最大の希望”になる【編集長コラム/富士フイルム杯】

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2022年02月12日

一方で川崎のチャナティップは…

川崎とのスーパーカップでいきなり存在感を示した岩尾。新シーズンの浦和でキーマンになるだろう。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 2022年2月12日、Jリーグの新シーズンの開幕を告げる富士フイルム・スーパーカップが開催された。Jリーグ王者の川崎と天皇杯覇者の浦和が激突した一戦は、後者が2-0で勝利という結果に終わった。

 浦和が江坂のゴール(7分)で先制した試合は、そこから川崎が押し込む展開になる。それでも川崎に決定機らしい決定機は生まれず、逆に浦和がカウンターやCKから「あわや」という得点機を作るという前半だった。後半に入っても前半ほどではないにせよ、ボールを握る川崎を浦和が迎え撃つ構図となったが、終盤81分の江坂の追加点で勝負は決まった感があった。

 浦和では2ゴールを叩き込んだ江坂、先制弾を見事なクロスでアシストした酒井はもちろん、中盤を文字通り牛耳った岩尾の働きが素晴らしかった。川崎の包囲網が届かない位置でボールを出し入れして、チームに落ち着きを与える岩尾のパフォーマンスはまさにいぶし銀。地味ながらも「今季の浦和のキーマンは岩尾」を印象づけた。

 徳島時代にリカルド監督に師事していただけあって、岩尾のプレーには淀みがなかった。局面が動かない横パスは選択せず、あくまで〝意識は縦“という狙いが見えたところには、彼の戦術的インテリジェンスが感じられた。最後までチームが崩れなかった一因も、このMFの気の利いた振る舞いがあったこそではないだろうか。
 
 一方、岩尾と同じ今季の新戦力でも、川崎のチャナティップは〝まだまだ“というふうに映った。前半は4-3-3システムの左ウイング、後半はインサイドハーフを担ったが、残念ながら肝心の得点に絡めなかった。いくつか左サイドからの展開で目を見張るパスはあったものの、味方との呼吸はいまひとつ。敵陣でパスを一瞬躊躇するシーンも見受けられ、むしろこれからという印象を受けた。

 ボールをそれなりに支配しつつも、決定機が少なかった川崎は、攻撃面でやや迫力不足。細かいパスワークで敵陣の深いところまで攻め込むが、最後の最後で崩しきれない場面が多々あった。スコアで圧倒できなくなった昨季後半戦の戦いぶりを見ているようで、そこにリーグ3連覇に向けて一抹の不安を感じた。

 その川崎に完封勝利を収めたからといって、浦和が今季の大本命になるわけではない。とはいえ、最後まで足が止まらなかった彼らの戦いぶりは評価に値した。ひとつの勝利がチームを結束させるファクターになるはずで、ここからさらに浦和は進化するかもしれない。その過程で〝最大の希望“になるのが岩尾ではないだろうか。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)
 
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