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図抜けたスタミナで攻撃を活性化させた清水梨紗。前に出ない時も「消極的な感じではない」【女子アジア杯】

カテゴリ:女子サッカー

西森彰

2022年01月31日

「ビルドアップは自分としても試行錯誤をしている」

攻守両面でタフにプレーした清水。左サイドの宮川とはバランスを見ながらお互いの長所を引き出し合った。(C)AFC

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 なでしこジャパンの右SB、清水梨紗の振り子のような上下動が戻って来た。

 来年の女子ワールドカップの出場権がかかる、アジアカップ準々決勝のタイ戦。前半から右サイドのスペースに顔を出し、チームの攻撃を活性化させた。そして、83分に植木理子へのクロスから、菅澤優衣香のこの日4点目を引き出すなど、終盤まで衰えない運動量を発揮した。

 グループステージの3試合では、高い位置に顔を出すプレーが、普段よりも少なく見えた。最終節の韓国戦については「前に上がるタイミングが見つけられなかった」とのこと。初戦のミャンマー戦、続くベトナム戦については、大会全体を通してのスタミナ配分や、リスク管理に気を遣っていたのか? 本人は、もう少しポジティブなことを考えながらプレーしていたという。

「後ろのビルドアップについては自分としても試行錯誤をしているところで、自分が高い位置をとることで、生まれるメリットとデメリットがありますし、自分が引いているところで他の選手が活きるという部分もあるので、そういうバランスを自分の中で考えています。あんまり消極的になっている感じはしないんです」

 この日は、同じ所属チームの宮川麻都と両翼を組んだ。戦前の決め事は特になかったそうだが、「相手の陣形を見ても、右サイドのほうが崩せていた場面が多かった」と語る宮川がリスクマネジメントを担当しながら低めに立ち、いっぽうの清水は前へ出ることで、互いの長所を引き出した。

「麻都の良さは、自分とは違います。左サイドハーフが(宮澤)ひなただったんですけれども、その間でつなぎ役になるというのが麻都に適している役割だと思ったので、右と左でちょっとプレーのやり方は違ったんですけれども、そういうバランスを麻都と意識していました。麻都も良いプレーをしていたので、自分も負けないようにという思いで、90分間プレーしました」
 
 清水の活躍もあって、なでしこジャパンは7-0でタイに大勝。上位5チームに与えられる女子ワールドカップの出場権を掴んだ。新型コロナの脅威に収束のメドが立たない今、対外試合の機会は貴重だ。アジアのトップレベルとの真剣勝負を無駄にすることはできない。清水も次のように言う。

「まずはボールを握るのが日本の良さだと思うので、その中でビルドアップについては、もう少し精度を上げていかなくてはいけないと思っています。ボランチが縦関係になるのか、自分がSBだったら、少しボランチが落ちていくようなタイミングを作ってあげたらいいのか。本当に細かいところなんですけれども、試合の中じゃないと合わせられない部分がたくさんあります。女子ワールドカップ出場が決まったので、これからの2試合で、そちらに向けての積み上げも怠らず、やっていかなくてはいけないなと思っています」

取材・文●西森彰(フリーライター)

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