ホームで中国を相手に２－０の勝利。これまで何度も言っているように、最終予選で何よりも優先すべきは、結果。内容を無視しているわけではないけど、しっかりと勝点３を取れたことを評価したい。

　力の劣る中国に対して、攻めあぐねる時間もあったし、連係面で課題が残ったという意見も耳にする。でも、海外組が主体のチームで、わずかな準備期間しかないなかで連係を深めるのは、言うほど簡単ではない。代表とはそういうものだし、加えて、コロナ禍での活動で、これまでと勝手が違う部分は少なくないはず。

　難しい状況でも、結果を出してみせた。いろんな人のサポートを受けながら、監督や選手たちは戦っている。様々な意見があるけど、それは個人個人が感じることだしね。

　大迫、伊東と、取るべき人が点を取った。吉田、冨安と主力CBがいないなかで、谷口と板倉がしっかりと代役を務めて、無失点に抑えた。最高の勝点３で、日本はカタール行きにまた一歩、前に進んだ。それがすべてだ。

　だから文句は何ひとつないんだけど、あえて言うなら、相手が引き気味に構える試合展開なら、狭いスペースでも打開できる久保や堂安をもう少し早いタイミングで、たとえばセットで送り出しても良かったかな、ということかな。

　彼らは自由に動いて、個で突破できるし、コンビネーションでも崩せる。攻撃面で多少、手詰まり感があったなかで、久保や堂安がやりたいようにやることで、より相手をかく乱できたかもしれない。結局は“たら・れば”なんだけど、２人のポテンシャルは間違いないし、代表のピッチでもっと見てみたいというのもある。
 

　左SBで途中出場した中山も面白い選手だよね。入って数分後には、左サイドから正確なクロスで伊東の得点をアシスト。フィニッシュに絡むプレー以外でも、スペースを空ける動きとか抜群に上手い。わざと高い位置を取って、バックステップですっと降りてきて、相手が食いついたところで、空いたスペースに縦パスを入れる、とか。確かな技術の持ち主で、クレバーだよね。

　一方で、同じポジションを争う長友の先発を疑問視する声もある。たしかに全盛期のようなダイナミックさはないかもしれない。でも、出場している間に、大きな破綻があったかと言えば、ない。SBとしての守備力にも不安はない。

　ワールドカップ本大会になれば、また別の視点が必要になってくるけど、現状では長友も十分に頼りになるし、中山の台頭も喜ばしいこと。２人が切磋琢磨していくことで、それがチーム力にもつながっていくから。

　次はサウジ戦。ぜひとも勝ってほしいね。予選で３戦連発中の伊東の活躍に注目が集まっていると思う。個人的には、南野がそろそろ取るんじゃないかなと思っている。中国戦では期待されていた以上のものを出せなかったけど、ゴールに近いところに入っていく動き出しはさすがだった。そこにボールが来なかっただけ。ナンバー10を背負う男が、大一番で決めてくれそうな気がするよ。

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