高校サッカー界で千葉県が全国屈指の激戦区であると知る人は多いだろう。高校サッカーの歴史に名を残すほど大きな存在だった本田監督からチームを受け継いだ重圧もあった。
それでも前を向き続けたのは、選手たちのひたむきな姿勢だった。「この子たちが全国に行けなかったら大人の責任」と覚悟を決めて臨んだ予選。自分たちのスタイルを出し切れず、苦しみながらも勝ち上がった決勝戦で、最後に背中を押してくれたのは選手たちだった。
流経大柏を率いる榎本雅大監督、齋藤礼音コーチに話を訊いた。
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【流通経済大柏・榎本雅大監督インタビュー】

えのもと・まさひろ
現役時代は習志野高と国士舘大でプレー。卒業後は高校時代の恩師である本田裕一郎前監督の誘いで流経大柏高で教員となり、サッカー部の指導にあたる。20年4月にコーチから昇格し、監督に就任した。
本田前監督からチームを引き継ぎ、選手権への出場権を勝ち取る
優勝のときに流した涙の通り、本当に嬉しかったですね。あの涙には色んな想いがありました。前任の本田裕一郎先生(現・国士舘高テクニカルアドバイザー)は日本の高校サッカー界を代表する大監督。
そのチームを2年前に継がせてもらい、色々な意見があるなかで思うことはありましたし、去年も勝負の一年と覚悟しながら選手権予選の決勝で敗れてしまい、選手や応援してくれる方々に申し訳ない気持ちでした。
それでも指導方針は間違っていないと信じて変えずに取り組み、今回やっと結果が出たので、心の底から嬉しかったです。