【試合内容】
　ピッチを広く使いパスワークで崩しにかかる柏と、次々と縦に仕掛ける湘南。ともに攻撃的なサッカーを標榜するチームの激突で、序盤からオープンな展開が続く。中盤では球際の激しい攻防が繰り広げられ、目まぐるしく攻守が入れ替わるが、ともにフィニッシュに精度を欠き、スコアレスで前半を折り返す。
 
　後半はさらにオープンな展開となり、互いにショートカウンターの打ち合いとなる。71分、元柏の高山がGKと１対１の決定的な場面を迎えるも、菅野の好セーブでピンチを回避。逆に柏はレアンドロを投入して攻勢に出たが、90＋２分のゴール前での大津の折り返しも武富が合わせ切れず。お互いに持ち味を発揮した試合は、最後までゴールが生まれずスコアレスでタイムアップ。勝点１を分け合う痛み分けとなった。

【J１ PHOTOハイライト】１stステージ・12節
 
【チーム採点】
柏　5.5
ボールロストした後の対応を意識し、ボックス内へも侵入していたが、フィニッシュが上手く噛み合わず。またしてもリーグ戦ホーム初勝利を逃した。
 
湘南　６
選手に連戦の疲れは感じられたものの、縦への意識とスピードという自分たちのスタイルは最後まで完遂。指揮官は「清々しい気持ち」と振り返った。
 
 
【柏 | 採点・寸評】
GK
21　菅野孝憲　６
後方から熱いコーチングで守備陣と連係。71分、元同僚の高山との１対１では果敢に前に飛び出して防ぎ、チームのピンチを救った。
 
DF
２　藤田優人　5.5
リーグ戦初出場。球際で対面の菊池と激しくやり合い、気迫は伝わってきたが、クロスをはじめ攻撃時のプレー精度はイマイチだった。
 
４　鈴木大輔　6.5
素早い山田は力強い寄せで押し返し、大槻と高山にはパワーで対抗。43分、ゴール前の決定的なピンチでは身を挺したスライディングで失点を防いだ。
 
13　エドゥアルド　６
再三の接触プレーで右脇、右肩、左太ももを痛め、満身創痍に。それでも、クリスティアーノへのロングボールで攻撃パターンを作った。
 
22　輪湖直樹　5.5
相手のウイングバックにチャンスメークを許さなかった守備は評価できる。しかし、サイドは互いの推進力がぶつかり合い、攻撃のチャンスは決して多くなかった。
 
MF
８　茨田陽生　5.5
ボールを受けると湘南の前線３枚に囲まれ、ボールを持つ回数が制限された。相手のカウンターへの対処は抜かりなかったが、本人は「もっと決定的なパスを出さないと」と反省。
 
15　武富孝介　5.5
立ち上がりは工藤との１タッチプレーで相手の守備網を打破するも、古巣の徹底的なマークで徐々にボールを持つ回数が減ってしまった。
 
28　栗澤僚一　６
セカンドボールの読みと対応はさすが。２戦連続ゲームキャプテンの期待に応えたものの、大谷に比べるとやはり展開力に物足りなさが残る。
 
FW
26　太田徹郎　5.5
アンカーの位置まで下がり、ビルドアップに参加。アカデミーラインの連係こそスムーズだったが、決定機にはつなげられなかった。
 
30　クリスティアーノ　5.5
サイドを深くえぐり、攻撃を牽引。一度スイッチが入ると猪突猛進になってしまい、シュート・パスと最後の１プレーに精度を欠いた。
 
９　工藤壮人　5.5
前後左右に駆け引きしながらボールを引き出そうと試みるも、この日はＡ・バイアの方が一枚上手。フリックプレーのミスも目に付いた。
 
交代出場
FW
11　レアンドロ　－
１トップに入るとボールが収まり、チームの攻撃が活性化。３トップでのカウンターに迫力と厚みが出て、改めて存在の大きさを感じさせた。
 
DF
27　キム・チャンス　－
チームが押し込まれる時間帯のなか、菊池や三竿の攻撃を受けるも冷静に撥ね返す。難しい起用にも応え、無失点に貢献した。
 
FW
10　大津祐樹　－
最後の切り札としてピッチへ。アディショナルタイムの数分間しかプレー時間がなく、得意のドリブルを仕掛るチャンスを得られず試合終了。
 
監督
吉田達磨　5.5
お互いの持ち味を発揮した試合のなか、そのクオリティは相手に劣る。スコアレスの状況を打開する、明確な策も見出すことができなかった。