【甲府】キャンプ最後の実戦を制すも、発展途上の仕上がり

カテゴリ:Jリーグ

渡辺 功

2015年02月17日

「コンセプトは理解できているが、表現できたのは6、7割」(樋口監督)。

【甲府3-2金沢(45分×1本、30分×2本)】甲府のスタメン(左が1本目、右が2本目)。得点者/W・エンリケ(3分)、アドリアーノ(15分)、稲垣(56分)

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新加入のW・エンリケ⑩のゴールで先制した甲府。2次キャンプ最後のTMで勝利したが、守備の脆さを露呈するなど課題も浮かび上がった。写真:©2015VFK

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 宮崎県・綾町で2次キャンプを実施してきた甲府は、最終日となる17日に金沢とトレーニングマッチ(TM)を行ない、3―2で勝利した。しかし、不用意な失点も見られるなど「チームのコンセプトは理解できているが、それを表現できたのは6、7割」(樋口監督)のまま9日間のキャンプを打ち上げた。
 
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 この試合は、15日の横浜FC戦で初めて採用した「3‐5‐2」でスタート。開始3分、W・エンリケが相手の浅い最終ラインの裏へ抜け出すと、約35㍍を独走。そのまま先制ゴールを奪った。12分にCKから同点とされたが、直後の15分には、松橋の右クロスに「ニアに速いボールを要求していた。練習どおりの形」と話すアドリアーノがボレーで決めて、再びリードを奪う。W・エンリケとアドリアーノは、横浜FC戦でも連係から得点を奪っており「2トップはやりやすい」と声を揃える。
 
 ところが、徐々に前線からの守備が機能しなくなると迎えた30分、金沢に中央を崩され、昨季途中まで甲府に在籍した金子に同点弾を献上。自陣に人数は揃っていたものの、「押し上げも遅くて、簡単に間を通されてしまった」(樋口監督)。指揮官は従来のブロックを敷く守備と、新たに試行している前で潰す守備との使い分けを図っているが、まだ発展途上といったところだ。
 
 2本目は「3‐4‐2‐1」、3本目は再び「3‐5‐2」で、入団1、2年目の選手を中心にプレー。相手ゴール前の混戦から、稲垣が押し込んで勝ち越しの3点目を奪ったが、イージーなミスからピンチを招く場面もあり、決して圧倒したわけではなかった。
 
 監督が代わり、最終ライン、センターラインの顔ぶれも入れ替わっている。1年間の長いシーズン、スタートの段階ですべてが完璧にできる必要はないが、相手の卓越した個の力に、全員攻撃・全員守備の組織力で対抗するのが甲府の狙いとする戦い方のはず。それにはどんな布陣であろうと、実戦を通しての相互理解が欠かせない。開幕までの残り3週間、積み上げなければいけないことは、まだまだ多くありそうだ。
 
取材・文●渡辺 功(フリーライター)
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