アーセナルのクラブ哲学の礎に!?
22年間の長期政権に幕を下ろす名将の後釜には、いったい誰が入るのか。巷で巻き起こる論争を決着させるヒントとなる書類が発見され、話題となっている。
現地時間4月20日、アーセナルは1996年からチームを率いてきたアーセン・ヴェンゲル監督が、今シーズン限りで退任すると発表した。
アーセナル愛に富み、長期政権を築き上げたフランス人監督の退任を受け、英国メディアでは早くも「来シーズンに指揮官の座に就くのは誰なのか?」という論争が繰り広げられている。
その候補にはパトリック・ヴィエラやティエリ・アンリといったヴェンゲルの愛弟子たちに加え、マッシミリアーノ・アッレグリ、ヨアヒム・レーブ、さらにはルイス・エンリケといった錚々たる名前が並ぶ。
現地時間4月20日、アーセナルは1996年からチームを率いてきたアーセン・ヴェンゲル監督が、今シーズン限りで退任すると発表した。
アーセナル愛に富み、長期政権を築き上げたフランス人監督の退任を受け、英国メディアでは早くも「来シーズンに指揮官の座に就くのは誰なのか?」という論争が繰り広げられている。
その候補にはパトリック・ヴィエラやティエリ・アンリといったヴェンゲルの愛弟子たちに加え、マッシミリアーノ・アッレグリ、ヨアヒム・レーブ、さらにはルイス・エンリケといった錚々たる名前が並ぶ。
連日、アーセナル新監督の動向を追うニュースが飛び交うなかで、スウェーデン・メディア『Fotbollskanalen』は、同クラブが第二次世界大戦前に地元紙に掲載した、新監督を求める“広告求人”が見つかったことを紹介している。その内容は実にシビアだが、クラブのアイデンティティーの礎となるものだった。
「アーセナルFC。役職:監督。条件:その能力と人格の両方において、最高の素質と資質を兼ねた者。『チームを作るのに多額の補強費が必要だ』という人は求めていません。希望給与額を含め、詳細を記入した応募書類を書いて、会長(リッチモンド シーン通り24番地)まで提出してください」
実際、この求人にどれだけの応募があり、この求人から採用したのかは定かではないが、1925-26シーズンにアーセナルの監督に就任したのは、ハーバート・チャップマンというイングランド人だった。そう、『WMフォーメーション』を編み出し、世界のサッカー界に大きな影響を与えたクラブの伝説的な指導者である。
クラブの重要な戦力のひとりであった名手ジミー・ブライアンらに徹底した規律を植え付け、厳格な指導を用いたチャップマン。『Fotbollskanalen』は、「チャップマンが作ったアーセナルの、永遠なる哲学が生み出されたのは、この求人があったからかもしれない」と綴っている。
英紙『Telegraph』によれば、現在アーセナルは、この1年間で、選手の補強などに1億ポンド(約152億円)以上の予算を費やしたため、財政的に節約しなければならない状態にあり、今夏は5000万ポンド(約76億円)しか補強予算がないと言われている。
仮にその情報が事実だった場合、ヴェンゲルの後継者となる新監督には、現有戦力でクラブを再建させるための最適解を見出すことが求められる。
1925年当時と今のサッカー界では、選手補強に必要な額など、環境面がまったく異なるため、一概に比較するのは難しいが、いずれにしても、クラブとして転換期に差しかかっているアーセナルに求められるのは、カネに頼らず、自分たちが古くから持っていたアイデンティティーを見つめ直すことなのではないだろうか。