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テロリストに「クソッタレ! 俺はミルウォールだ!」と立ち向かった“嫌われ者”サポーター

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年06月07日

悪名高きミルウォール・ファンがテロ現場で取った勇気ある行動とは?

写真のように荒々しいことで知られるミルウォール・ファン。しかし、人一倍の勇気も持っている。 (C) Getty Images

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 現地時間6月3日、ロンドン市内の中心にあるロンドン・ブリッジ周辺でテロ事件が発生した。
 
 英国を代表する観光スポットで、人々が密集する橋の歩道に犯人はワゴン車で突っ込み、さらに「アラーのためだ」とナイフを振り回してバーやレストランを襲撃。この残忍極まりない犯行によって、現時点で7人が死亡し、50人以上の負傷が確認されている。
 
 卑劣な行為で多くの人々が混乱に陥るなか、事件当時、勇敢にもテロリストと対峙した男がいた。英国人のロイ・ラーナーさんだ。
 
 事件発生当時、現場付近のパブで飲んでいたという47歳のラーナーさんは、逃げ惑う人々の動きと「イスラム! イスラム! アラーのためだ」という声を聞きつけて、仲間をかばうためにテロリストの前に立ったという。
 
 英紙『サン』の取材に応えたラーナーさんは、3人のテロリストと対峙した時のことを振り返っている。
 
「あいつらは長いナイフを持っていて、『アラーのため』とひたすら叫んでいたよ。だから私も相手の方に少し向かって、『クソッタレ! 俺はミルウォールだ!』と叫び返してやったのさ。みんなはその間に逃げたよ。そしたら、奴らは私の方に向かってきてね。素手で立ち向かったけど、8か所も刺された」
 
 多くのフーリガンが属し、イングランド・サッカー界において最も悪名高いことで知られるミルウォールのファンであったラーナーさん。その勇敢な行動の代償は大きく、胸や頭、手首には生々しい傷跡が残ってしまったという。

事件当時のロンドン・ブリッジ。多くの人がごった返すなかで行なわれた犯行は卑劣極まりないものだ。 (C) Getty Images

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 しかし、その勇気に救われた命がある。ラーナーさんの友人の母親は、サン紙の取材に「私の息子は無事よ。彼(ラーナー)は恐れを知らない。どんな戦いからも逃げようとはしないの。それが誰であっても、ナイフや銃を持っていようとね」と命の恩人を称えた。
 
 ミルウォール・ファンのチャントには、次のような有名なものがある。
 
「誰も俺たちが好きじゃない、誰も俺たちが好きじゃない。だけど、俺たちは気にしない。俺たちはミルウォール! スーパーミルウォールなんだ」
 
 このチャントにもあるように、フーリガンたちが暴行など数々の悪行を繰り返しているミルウォールは、いわば、イングランド・サッカー界の嫌われ者。しかし、今回のラーナーさんの勇敢な行動によって、腫れもの扱いされてきた彼らに対する目は変わっていくのかもしれない。
 
 とはいえ、命あっての物種。ラーナーさんが無事であったことが何よりだ。
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