【U-19代表】“サプライズ出場”でサプライズ弾。市船の原輝綺が見せた「新参者」の意地

カテゴリ:日本代表

橋本啓(サッカーダイジェスト)

2016年10月15日

「相手の足が止まったこともありましたけど、ボール奪って前に行く意識は出せた」

原(21番)は急に訪れた出番にも動じず、中盤で堂々たる働きを披露。出場時間が限られながら、終盤にチーム3点目を奪った。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 ベンチで戦況を見守っていた原輝綺(市立船橋高)に、声が懸かったのは80分だった。

【U19アジアユース 日本3-0イエメン@バーレーン】小川、岩崎、原の得点で初戦を飾る。
 
「最初、(遠藤)ケイタ君が(ペースを)上げろって言われていて、最初は『ないかな』と思っていたんですけど、いきなり呼ばれて少しびっくりしました」
 
 十分にウォーミングアップをしていたわけでもなく、声をかけられたのだから本人が驚くのも無理はない。ちなみに、遠藤渓太(横浜)はその4分後、三好康児(川崎)と代わってピッチに入っている。
 
 日本がリードを2点に広げ試合の趨勢が固まりつつあったとはいえ、原は急に訪れた出番にも、至って冷静に立ち振る舞った。持ち前の力強い守備でボールを奪っては、前線へボールを運ぶ。そして、ピッチに立ってから8分後に、見せ場を作った。
 
 ボール前でDFからゴールを奪うと、すかさず前方の小川航基(磐田)にパスを供給。一目散にエリア内へ駆け上がると、小川のクロスを冷静に沈めて、チーム3点目を叩き込んだのだ。
 
「パスはちょっとズレちゃったんですけど、最後良いボールを上げてくれたので、自分は決めるだけでした。素直に嬉しかったです」
 
 得点場面をこう振り返った原は、8月のSBSカップでU-19代表に初招集されたばかり。いわば「新参者」ながら、「CBの前で弾き返せるし、アグレッシブにやれる」と、その守備センスの高さには内山篤監督も期待を寄せている。
 
 代表での活動はここ約2か月のみと日は浅いが、この日のパフォーマンスでさらにチーム内での信頼は増幅させたに違いない。本人も「出た時間帯だったり、相手の足が止まったこともありましたけど、ボール奪って前に行く意識は出せた」と、アジアを舞台に戦うことへの確かな手応えも実感する。
 
「まだ何かを残したわけではないし、このチームにいるからには、来年のU-20ワールドカップの出場権は勝ち取らないといけない。自分は謙虚に高望みせず、一つひとつ課題をクリアしていきたいと思います」
 
 固い決心を語った原の、さらなる飛躍に期待したい。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)

10月13日発売号ではJ1・第2ステージ残り3節の見どころを特集。中村憲剛選手のインタビュー、楢﨑正剛×田口泰士選手の対談に加え、J1・500試合の偉業を達成した阿部勇樹選手のストーリーにも迫ります。クラブダイジェストはC大阪。

画像を見る

10月13日発売号のサッカーダイジェストでは、クラブダイジェストでセレッソ大阪を取り上げています。

画像を見る

【関連記事】
【速報】U-19日本3-0 U-19イエメン|エース小川が先制点!! 高校生ふたりが追加点と躍動!
U-19代表のエース小川航基の胸に刻まれた手倉森誠監督からの“ある言葉”とは?
いよいよ開幕!! U-19アジア選手権で押さえるべき日本の注目プレーヤー6傑
【U-19日本代表】イエメン撃破へ自信あり!? 欧州クラブも注目するドリブラーMF堂安が明かした打開策とは?
【U-19代表】井原正巳の‶秘蔵っ子″DF冨安健洋が受け継ぐ「アジアの壁」のDNA

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ