【日本代表】常に先制しているのに…ハリルジャパンの慢性的な病に付ける薬はあるのか

カテゴリ:日本代表

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年10月13日

繰り返される同じ過ち。なぜ、堂々と振る舞えない?

オーストラリア戦でも原口の3戦連続弾で幸先良く先制したが、PKを決められて結局はドロー決着だった。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 2年後のロシア行きを賭けたアジア最終予選で、日本のここまでの戦績は、4戦して2勝1分1敗。勝点7でグループ3位にいる。
 
 悪くもなければ良くもない、といったところだが、この4試合を振り返ると、ひとつの共通点が浮かび上がってくる。
 
 先制点。
 
 UAE、タイ、イラク、オーストラリアとの対戦で、ハリルジャパンはいずれの試合でも最初にリードを奪うことに成功しているのだ。
 
 ところが、そのアドバンテージを十分に生かし切れていない。先制してからの追加点、という理想的な展開で勝利したのはタイ戦のみ(2-0で勝利)。それ以外の3試合では、追加点を奪えずにいると、必ず同点に追いつかれている。
 
 1-1とされた後は、すべての勝敗パターンを経験。UAE戦は1-2と逆転された。イラク戦は終盤に辛うじて勝ち越すことができたが、オーストラリア戦はそのまま引き分けた。
 
 イラク戦も紙一重の勝利だった。終了間際に決まった山口蛍のミドルは劇的だったが、相手を“突き放した”感はない。
 
 リードした後のゲーム運びに問題があるのは明らかだ。追加点を奪う力と策に乏しく、無失点に抑える耐久力は90分間持たない。不用意なファウルで相手にセットプレーを与えては、失点を許す――UAE戦でも、イラク戦でも、オーストラリア戦でもだ。同じ過ちを繰り返しているのだから、その学習能力を疑いたくもなる。
 
 1点を先行し、有利な立場にあるはずなのに、堂々と振る舞えず、簡単に同点とされるチームがビハインドを背負ったらどうなるのか。不利な状況で反発力を示すことができるのか。改めて記すまでもないが、UAEに逆転された日本に“追いつく力”はなかった。
 
 タイ戦で回復の兆しが見えたかに思えたが、「リードを守れない」という慢性的な病に罹患しているハリルジャパンに、良く効く処方箋はあるのだろうか。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【オーストラリア 1-1 日本|PHOTOギャラリー】原口の3戦連発弾で先制するもPKで悔しい引き分け…

10月13日発売号ではJ1・第2ステージ残り3節の見どころを特集。中村憲剛選手のインタビュー、楢﨑正剛×田口泰士選手の対談に加え、J1・500試合の偉業を達成した阿部勇樹選手のストーリーにも迫ります。クラブダイジェストはC大阪。

画像を見る

【関連記事】
【豪州1-1日本|ハイライト動画&記事一覧】解説:セルジオ越後・釜本邦茂・金田喜稔、香川プレー分析、本田・原口らの戦評 etc.
【プレー分析|本田圭佑】後半はトーンダウンも、CFとして可能性を示した“新機軸”
【日本代表】監督からの指示で守り方を変更。酒井高徳が失点シーンに残す悔い
【日本代表】予選突破 or 進化の狭間で揺れる香川。「おもしろくない戦いかもしれないけど…」
【日本代表】キャプテン長谷部の危惧。ここまでの4失点が“トラウマ”になる可能性も

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ